「若かりしころ」
日本での木村欣三郎の生活は誰も知らない。醤油屋「いでん」の親戚だということは、みんな知っている。
「木村伝兵衛 六代」のいとこにあたる木村欣三郎。
若かった木村欣三郎は、一体、どんな少年だったのだろうか。
小さいころから海外志向の彼だったのだろうか。
彼が「ブラジル」に渡る前の彼の生活の様子を書いてみたい。
日本を離れ、遠く南国の地「ブラジル」で、昭和の時代を生き抜いた男、「木村欣三郎」。
「日本に居たら、戦争で死んでたよ。」が口癖だった。
すらったした太い垂れた眉毛と目。寡黙な彼の性格。
人生において、二度の結婚をするが、そのどちらとも正式な結婚ではなかった。
彼、木村欣三郎にとっては、結婚の書類などどうでもよかった。大切なことは、家庭円満。普通の生活ができればよかった。困った人がいれば、助けてあげればよかった。おなかを減った人には、たらふく食べさせた。
そんな彼の生涯を事実をもとに物語を創作したい。
彼の若かりし頃を書いてみた。
彼の性格形成は、醤油屋「いでん」の木村伝兵衛が大いに関係していた。
木村伝兵衛と木村欣三郎は仲がよかった。
お金に不自由などしていなかった。
生活に困ることなどなかった。
ただ…早くに両親を亡くし、叔父叔母に育てられた。
それが、木村欣三郎。
南米「ブラジル」に行こう。そう、彼は決心をするときがくる。
その彼の気持ちを動かしたものは…いったい何なのだろうか。