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Prologue「カメラマン」
じーーーー。
〝人間というものは、なんと美しいのでしょう。
清濁おり混ざる様は、まるで芸術品のようです。
流石我が主の創作物。
完璧でないからこその美しさ。
その趣向は、素晴らしきものを感じますわ。
人間のなかでも特に美しいのは恋沙汰の中に囚われた人間ですわね。あの、自分の感情の置き場を決められない不安定さは、何事にも勝るほどに美しい。
……そうだ。思い付きましたわ。
あの美しさを切り抜いてしまいましょう。
特に、感情の発露である『告白』と呼ばれるワンシーン。
あの尊き輝きを切り取るなんて素敵ではないですか。
そうと決まれば早速……〟
そういって女神は何処かへ消えてしまった。
告白を切り抜いたワンシーン。
告白スナップ。尊き一瞬を残すために。