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番外7



キムが毎週会いに来てくれて、いろいろ話して楽しかったのは、先月までの話。

とうとう魔法学校に入学、今は会えない日々が続く。


つーまーんーなーいー!!


今まで会えていた時間は午後、もしくはキムの休日。

今ではどちらも魔法学校の時間なのだ。

折角仲良くなれたのに、つまらない。

夏期休暇になればいっぱい会えるだろうけど・・・それまで会えないのかなぁ。



「ティーナ様、次移動ですよ?」


「ん、今行く」


学校ではルイスと一緒。


「はぁ・・・」


「どうかしましたか?」


「ううん、何でもない・・・。そうだ、ルイスってキムの弟なんだよね?」


「はい、そうですが」


「キムに婚約話とか、ないよね?」


「ないと思いますよ。昔はともかく今は婚約話が来ないようになっているとか」


「来ないようになってるって?」


「リオン様の側近になってから婚約話が減り、それでも少しはあったんですが・・・先月くらいから、ぱったり」


「ぱったり?」


「父上に聞いたところ、”事情が言えん、だがキムのため、いや我が家のためだ”と」


「よくわからない」


「私もわかりません」







夏期休暇に入り、ようやくキムに会えた。


「キム、会いたかった!」


「はい、私もお会いしたかったです・・・身長、少し伸びましたね」


「えへへ、そうなんだ!すぐにキムの身長、追い越すからね!」


入学してから3㎝以上伸びたのだ。

これからどんどん伸びて、キムの身長追い越して、格好良いといってもらうんだ。


「夏期休暇まで全然休み被らなくて、さみしかった」


「そう、ですね・・・」


「・・・キムは、さみしくなかった?」


言い淀んだのは、そう思えなかったから?


「いいえ、とても寂しかったです。ただ・・・」


「ただ?」


「休みが被らなかったのが、不自然すぎるって言うか」


「キム様?何か仰りまして?」


「・・・やはり。・・・いいえ、何も・・・」


シュカが淹れてくれたお茶を飲みながら、学校の話をする。


「さて、本日は久し振りですからね、私は席を外しましょう」


「え?!」


「私は普段からティーナ様ともキム様とも会ってますから。外にいますので、ご用があればおよびください」



**



シュカが退室してからぎこちないながら会話をする。

久し振りすぎて緊張する。


「あ、そうだ。ルイスに聞いたんだけど・・・」


婚約話について。

本人なら何の話か聞いてるだろうし。


「それは・・・その・・・数年後に結婚することにほぼ決定と言いますか・・・」


「え!?」


「とある方と結婚するんです。だからそれまで結婚しないようにと。もしその方が心変わりされても他を宛がうから、と」


「他を宛がうって・・・」


「まぁ貴族の結婚なんてそんなものですけどね。年齢的にも良くて後妻だろうと思っていたのでそういう意味では幸運なのですが」


「結婚しちゃうの?その人のこと、好きなの?」


ああ僕泣きそう。

どうしよう。王族の権限で結婚潰しちゃったりできないのかな!?


「その方が望まれれば。ただ、今回の話は周りからのお話なので、本人の意思ではないんですよ」


「・・・邪魔してやる」


「え?」


「その人のこと好きなの?好きじゃないなら結婚なんてしない方が良いよ!」


「えぇと・・・断れるようなお話でもないですし・・・好きじゃないわけじゃないと言いますか・・・」


「好きなの!?」


「まぁ、好きというか、好きになる可能性が高いというか・・・」


何で回りくどい言い方してるのかわからないけど、それって結婚が嫌じゃないくらいには好きってこと?

ってことは邪魔したら嫌われる!?

どうしよう、どうしたら良いの?

助けてシュカー!!


「僕より、その人が好き・・・?」


「えぇ!?」


「僕の方がキムのこと好きだもん!だから結婚しちゃダメ!!」


「は・・・・・あ、あの・・・・・」


あぁ、キムが困ってる。困らせてる。

こんな子供じゃ、好きになんてなって貰えないよね・・・。


「ごめん、なさい・・・。嘘、だから」


涙が溢れてきたから、俯く。

泣いたらますます子供じゃないか。


「おめでとう、キム。あの・・・体調悪くなちゃったから、帰って・・・」


「あ、は、はい・・・あの、シュカ様を呼んできます!」


呼ばなくて良い、って言いたかったけど、声が出なかった。

とりあえずベッドに潜り込む。


泣き疲れた僕はシュカが来る前に眠ってしまった。









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