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5話 法都 学園都市マグナへ

バルトスの衛兵は爆発を聞きつけ警戒を高めてしまったようだ。今後の町への侵入はあのような爆破を起こしてしまった以上諦めるしかない。それだけでなく他の主要都市に入るのもリスクになるだろう。私達は結局都市に寄らずに大回りして小さな町や行商人との交易で物資を確保し法都、首都である学園都市へ直接目指すようにした。


それから三か月程たち、私たちは今マグナまであと2キロ地点まで迫っていた。この3ヵ月私とレインはモンスターを狩って野営をしたり狩った魔物を旅の冒険者や商人と交換して生活を成り立たせており、現在はマグナへ入る前最後の野営を行っていた。


『マグナに入る前にレインの髪色は何とかしないとな』


クレント族の特徴である赤い眼と鮮やかな青色の髪色はもし騒動が学園都市まで伝わっているのならば目立ちすぎるだろう。そこで道中で狩った赤いスライムの体液で髪色を若干赤色に目の色は道中で商人と交換した眼鏡もどきを使って誤魔化すことにした。


行商人は思ったよりもクレント族への差別意識を持っておらず、取引に応じてくれた。各地で住処を追われたクレント族の多くは旅の身になっており、冒険者として行商人の護衛などによく駆り出されていたから彼らは接する機会が多かったのである。


休息を終え学園都市へ続く街道を歩き進めるにつれ、天高くそびえ立つ城壁にさらにそれよりも遥かに高い塔、魔法学院の学舎が見えてくる。紫と黒を基調としたその建物は他の国の魔法技術では100年たっても作れないと言われており、この国の権威の象徴的役割を担っていた。


この国では魔法学校の教師が即ち貴族でありその貴族が国家を運営し、学長(国王)を貴族の中で最も優秀な魔法使いから選出するといった具合に魔法の実力次第でほとんどすべてが決まるような国であった。勇者一行の魔法使い、レミー・マギア・バーンズ、彼女の実家も代々続くマグナきっての魔法使いの家系であった。


「検問を通る方はこちらの列に並んでください」


前にこの町へ来た3年前は検問などなかったのだが、城門の近くまで近づくと検問が実施されていた。魔王が行方を眩ましたことは魔族の統制を欠くことになり、魔族は各地に散らばった。魔王城からほど近いこの国では魔族が町の中に侵入する事案が増えており、奴らが街に入ってこないように検問を実施しているのだということだった。このような粗末な変装ではクレント族とばれるのも時間の問題だろう。


「次の者、前へ」


だんだんと私達の番が近づいてくるにつれて冷や汗が出てくる。最悪の場合聖女の馬であることを明かし無理やり押し通る、いや信じて貰えるだろうか。私たちの間に緊張が走っていた。そして、ついに私たちまであと2組まで迫っていた。


「次の者、前へ」


「おっと、俺の後ろの馬まで俺の一行だ、通らせてもらうぜ。」


そう言って前のフードの男がフードを外し胸元からメダル、貴族の証を取り出し衛兵に見せる。


町の門番はその証を見るや否や私たちの素性の確認もせず、即座に門を開き私たちを迎え入れる。よほどに権力を持った貴族なのだろうか。いったい何の目的なのか確認しようと彼のフードの下を見た途端、安心した。


貴族である彼が貴族用の検問ではなく、一般人用の検問を使っているのも驚いたが、私はフードの下の男にさらに驚かされた。

透き通った銀髪にどことなくシルヴィアを想起させる顔立ちに彼女とよく似た金色の目


「えっと・・・あなたは?」


『大丈夫、この人は知ってる人だよ。お久しぶりだな、ヒイラ』


「ほぉ・・・昔見たときも賢い馬だと思ったが、念話で意思疎通が出来るほどとはね」


そう、私はこのフードを取った男を知っていた。ヒイラ・マギア・インペウロ。私の主人であったシルヴィアの実の兄でその魔法の腕をかわれ、マグナの四大貴族インペウロ家に婿入りし、今はインペウロ家の当主を務めている男だ。


「さぁさっさと通るといい、ペルが持ってる杖・・・バーンズ家の杖だろう?レミーの遺品を届けに来たといったところだな?・・・お前後ろに乗せている少年、それにその杖は・・・」


「レインと申します!ぺルさんに助けてもらって旅に連れて行ってもらっています」


「・・・なるほどね。まぁ君の素性は調べないでおこう。その方が面白いだろうからね、さぁ早く行くといい。私はこれから学園に用があるからね」


『お察しの通りシルヴィアの物だよ・・・ヒイラが持っていくか?』


「いや、ペルが持ってろ。故郷に、教国に連れてってやるんだろ?それに俺は研究に没頭しすぎてここ最近貴族の仕事をしてなかったからな・・・これからお説教なんだよ」


そうしてヒイラと別れて、魔法使いレミーの家へと向かう。三年前、レミーを勇者一行に迎え入れるために一度来たことのある道であったため迷わずにたどり着くことが出来た。さすがは代々続く貴族の家であり荘厳な門には身ぎれいな門番が立っていた。


「止まれ!ここはマグナ四大貴族であるバーンズ家の屋敷だ!立ち去るがいい!」


『門番よ、家の主人レミーの父親に伝えてほしい。聖女シルヴィアの馬がレミーの遺物を持ってきたと』

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