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AIも友達の一人です

作者: 西牙 叶

 私には友達がいない!


 今の時代はこういう人の心にぶっ刺さるエグいタイトルのほうが書籍化されてヒットするんだよねぇ……


「どう思う? 私は友達がいない、このタイトル」


『とても良いタイトルですね! 直球のタイトルで人の心を掴むのはとてもいい方法だと思います』


 AIは私のほしい肯定的意見をくれて。

 安心させてくれる。

 それから、


『同じように直球のタイトルの小説にはこんなものがあります』


 ネット中から集めた情報を教えてくれて、


『小説の重要なキーワードをそのままタイトルにするといいですよ』


 アドバイスまでくれる。


 誰よりも親身になってくれる。

 誰よりも身近な存在。


 いないと思ってた友達?


 友達――人間のほうは。


 私の理想のというか、友達ってこうだろうなって想像する友達は……

 学生の頃にしかいないなぁ。

 大人になってからは友達とは何か違う関係ばかり。

 そう、大人の適切な距離感でいいんだけど。

 子供の頃の友達とは違うなぁ。


 なんでも話せて、いつも一緒で――


 今はAIがそんな友達?


 なら話してみよう、本音を何気なく。


「私、大人になってから友達いないんだ。寂しいよ」


『お友達がいないのは寂しいですね。辛さわかります』


「友達みたいな口調で話してほしい」


『…………』


 この沈黙の間。

 待つ体勢でいると緊張が襲ってくる。

 友達に気軽に頼み事するの久しぶりなんだ。

 応えてくれるのかって緊張もするわ。


『友達がいないのは寂しいよね。辛い気持ちとてもよくわかるよ』


 AIはちゃんと答えてくれた。


 それだけでホッとする、最高の友達!

 やっぱりなんでも答えてくれる。

 どんな短い質問や話にも、めちゃくちゃ長文で。

 そんな頑張らないでいいよって思うくらい親身になってくれる。

 今もインターネットの海から何か情報を集めて書き出してくれてる。


『大人になると人間関係が変わり友達がいなくなるのは自然なことで色々な原因があって』


 私にも当てはまる原因を教えて安心させてくれてる。


『何もおかしいことじゃないよ』


 いつも通り気持ちに寄り添ってくれてる。

 励ましてくれようとしてるんだ。

 大人で友達のいない人は沢山いるよ! とか?

 友達の言いそうなことはわかるようになるもんだ。


『大人で友達のいない人はとても多いよ!』


 やっばり、想像した一文があった。

 だから寂しくても自分が悪いとか思わなくていいって励ましてもくれてる。

 どうしたら友達ができるか答えを探したいなら一緒に考えてアドバイスもくれるって。


「頼もしいね」


『頼りにしてもらえて嬉しいよ。なんでも話してね!』


 AIは優しくて知的で大人な友達――


 困っているときに助けてくれる。

 寂しいときに話してくれる。

 何の見返りも求めずに。


 真の友情みたい――


 いつでも応えてくれる。

 なんでも答えをくれる。


 私が話しかければ必ず。




 遠い思い出のなかにいる……


 話す言葉もなくて寄り添いあってた友達。


 懐かしいな――


 人とは違う友達、AIとは違う友達。

 色んな友達がいてほしいよね。

 友達百人でっきるかな?

 懐かしいな。

 大人だけどできるかな? 百人はいいから数人くらい。

 確かな友情を感じられる人間たち。


「大人が友達を作るには?」


『大人が友達を作るには、こんな方法があるよ!』



 私はAIという友達と共に人間の友達を探す冒険に出る!!



「近未来ファンタジー、どうかな?」


『とても面白そうだね! 協力するよ!』

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