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オレの勇者パーティは全員アホだが強すぎる。  作者: エース皇命
第1章 リーダーがアホすぎて

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閑話 エルフ美女の後始末

「クリス、冗談よね? わたくしは本気であなたのことを愛しているのよ」


「僕たちはとっくの昔に終わったんだ」


 魔術師ギルドの監獄、セント・アズラム。

 王都にある、魔術系犯罪者のための地下監獄。


 無様なローレライは表情を強張(こわば)らせながら、魔力遮断フィールドの中に放り込まれた。


 その見送りに来たのは元カレのクリスと魔術師のジャック、そしてオレ。


 殴ってやりたかったけど、レディに手を上げるのはオレのポリシーに反する――ということはなく、マジで一発殴りました。

 批判しないでね。


「高潔なエルフ様が、こんな空間に耐えられるのかな~?」


 ギリギリまで顔を近づけ、挑発する。

 普通に嫌な奴になっているのは間違いないけど、まあいいでしょ。これくらい言わせてくれ。


「お前は禁忌の奴隷魔術を行使した。どこでその魔術を習得したか言え」


「絶対にあなたには教えないわ」


「そうか。それならもうお前に用はない」


 ジャックがローレライを睨み、身を(ひるがえ)して監獄を出る。このまま階段を上がれば地上だ。


「オレもこれくらいにしとくか。じゃあな」


 笑顔で手を振り、ジャックに続くオレ。


 最後に残ったのはクリスだ。

 元カノに言い残したことでもあるんだろう。勝手にやってくれ。


 ――と思っていたら、フィールドに反射する自分の髪型(オールバック)を見て、丁寧に整えているだけだった。やっぱりクリスはクリスだ。


「クリス、まだ間に合うわ。あなたの力でこの監獄を――」


「もう僕と君が出会うことはない。また会おう」


「……え? どっちなの?」


「いや……『また会おう』っていうのは、別れのセリフとして定番だから使っただけで……とにかく、さよなら!」


 うん、クリスはアホだ。安心した。




「いろいろと世話になった。近いうちにオークの民を連れて王都に移住することにするから、よろしく頼むわい!」


「おう、それじゃあまた」


 オークキングとグータッチを交わし、玄関から見送る。


 魔術師ギルドに行った後、軽く本拠地(ホーム)で祝勝会をして、オークキングとはお別れだ。

 またすぐ会うことになるだろうけど。


「待ってくれ、オークキング」


 ドシドシと去っていくオークキングの背中に、クリスが呼びかけた。


「いつもオークキングって呼ばせてもらっているけど、本名はないのかい?」


「本名……ワシは生まれてからずっとオークキングだからな。親からもオークキングと呼ばれていた」


 まさかのオークキングが本名かよ。

 息子にそんな名前をつける親がいるとは……。


「そうか。それなら、君は今日からケヴィンだ」


「ケヴィン?」


「えーっと、なんでそんな名前になった? どういう流れだ?」


 本当に謎だ。

 オークキングも混乱しているし、あのランランが首を傾げている。


 だから一応クリスに確認しておいた。


「今適当に思い浮かんだからね。もうケヴィンとしか考えられない」


 適当どころの話じゃないぞ。


 名前の由来もないし、本人と何の関係もないし。


 全員がきょとんとしていると、クリスが急に剣を抜いた。いきなり斬りかかるとかいうのはやめてくれよ。


「クリスカリバー、どう思う? オークキングはどう見てもケヴィンなんだ」


「「「「「……」」」」」


 剣聖クリスの愛用する剣、クリスカリバー。

 その剣には持ち主と会話する能力が……あるわけもなく、ただの剣だ。


「そうか。どうやらクリスカリバーも同意してくれるらしい。ケヴィン、これからも僕たちと仲よくしてくれ。また会おう」


 というわけで、オークキングにケヴィンという名前が付与されました。






《キャラクター紹介》

・名前:クリス

・年齢:238歳

・種族:エルフ


・身長:172cm

・容姿:金髪オールバック、切れ長の碧眼


 髪型と剣への愛が誰よりも強い男。

 少しでもオールバックに乱れがあれば、戦線を離脱する。愛用の得物クリスカリバーは、何も考えずに使うことで真の威力を引き出すことができる。

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