国からの発表
国王様との面談の後、国から正式に発表があった。
私に大怪我をさせた罪で騎士団長の子息は貴族学院を退学処分の上懲役刑、また、その原因となった私に関する悪い噂はカルモンド様とその側近が広めた、つまり原因はカルモンド様にもある、という事で王位継承権を剥奪、王籍からの除籍と幽閉処分、側近達は各家からの勘当処分、カルモンド様達に近づいた男爵令嬢及び男爵家はお取り潰し、この件に関して私は一切の罪は無く全ては王家の責任である、と新聞に記事が出た。
「そういえば、王妃様の姿が見えなかったけど」
「あぁ~、最後までカルモンド様の処分に反対していたらしいけど国王様が『だったら側にいても構わんのだぞ』の一言で押し黙ったらしい」
王妃様、カルモンド様を溺愛されていましたからねぇ。
「こちらを逆恨みしなければ良いんですが」
「そこは国王様が手綱を持ってくれるだろう、今回の件で思う所があるみたいだからな」
そんな事をお父様と話していた。
そのお父様は山積みにされた釣書に溜息を吐いていた。
「叔母様からの釣書ですか」
「あぁ、定期的に送ってくるから困ったもんだよ、俺は妻一筋なのに……」
私のお母様は幼い頃に亡くなっている。
お父様とお母様は政略結婚ではあるがお互いコミュニケーションを取って愛を育んでいた。
お母様が亡くなった後もお父様に再婚を勧める声もあったがお父様は『生涯愛するのは妻一筋』と宣言して男手1つで私を育ててくれた。
勿論、乳母やメイドや執事、使用人達も私を愛情持って、時に厳しく育ててくれた。
カルモンド様の件は残念ではあったけど周囲の人達に恵まれているのは確かだ。