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星空の約束、君と僕の未来  作者: 風月 凜音
第五章:星々を繋ぐ約束
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35. 新たな扉の先に

ユウキとアリスが歩みを進めると、突如として大きな扉が現れた。扉は古びており、どこか不気味な雰囲気を醸し出していた。その扉の前に立つと、ユウキは胸の中に一瞬、緊張が走る。しかし、その瞬間、アリスが静かに言った。


「これが、君が進むべき道。」


その言葉にユウキは深くうなずき、扉をじっと見つめる。扉には何も書かれていない。ただ、無機質で冷たく、まるで通り過ぎるべき場所を示すだけの存在のようだ。しかし、ユウキはそれがただの扉ではないことを直感的に感じ取った。


「扉を開けることが、次の試練に繋がるのだろうか。」


ユウキはつぶやくように呟いたが、その言葉にアリスは何も答えなかった。彼女はただ、無言で扉の前に立ち、静かにその行く先を見守っていた。ユウキもそれに倣って扉を見つめる。


「恐れないで。」


アリスがやや微笑みながら、ユウキに向かって言った。その言葉に励まされたユウキは、決心を固めると、扉の取っ手に手をかけた。


ゆっくりと引くと、扉は音もなく開き、目の前に広がるのは一面の光景だった。その光景は、これまでユウキが想像していたものとは全く異なっていた。広大な空間が広がり、その空間を取り囲むように無数の星々が輝いていた。


「ここは…?」


ユウキが驚きの声を上げると、アリスが静かに答えた。


「これは、君がこれから進むべき未来への扉。新たな試練が待っている。」


その言葉とともに、ユウキの目の前に現れるのは一つの星だった。その星は他の星々とは異なり、まるで彼の手のひらに収まるほどの大きさで、青白い光を放っていた。


「この星が、次の試練を示すものだろう。」


ユウキはその星をじっと見つめ、心の中で覚悟を決める。彼の中で、守りたいものへの思いが一層強くなり、心に火が灯るような感覚を覚えた。アリスはその様子を見守りながら、静かに告げる。


「次の試練を乗り越えたとき、君は星々を繋ぐ約束を果たすことができる。」


その言葉に、ユウキは心から答えるように頷くと、ゆっくりとその星に手を伸ばした。その瞬間、星はまばゆい光を放ちながら、ユウキの手のひらに吸い込まれていった。光が収束し、ユウキの体全体に広がると、彼の中に新たな力が湧き上がるのを感じた。


その力を感じながら、ユウキはアリスに向かって言った。


「次の試練、必ず乗り越えてみせる。」


アリスは微笑み、言った。


「そう、君ならできる。」


そして、二人は再び歩みを進める。扉の向こうには、これまでに見たことのないような世界が広がっていた。試練はこれからも続く。しかし、ユウキは恐れなかった。彼の手の中には、守りたいものが確かにある。それを守るために、どんな試練にも立ち向かっていく覚悟ができていた。


そして、その先には、新たな未来が待っている。その未来を切り開くために、ユウキは一歩踏み出した。

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