31. 星の導き
アリスが静かに歩み寄ると、ユウキは自然とその足音に耳を澄ませた。彼女の存在が、まるで星の光のように周囲を照らしているような気がした。彼は心の中で何度も自問自答していた。試練を終えたと言われたが、次は何が待ち受けているのだろうか。
「アリスさん、僕が次に進むべき場所はどこなんだ?」
ユウキが少し緊張した様子で聞くと、アリスはゆっくりと振り返り、星空の向こうを指差した。
「そこに、次の試練が待っている。君が星々を繋ぐ約束を果たすためには、まだ一つ、心の中で解き明かさなければならないものがある。」
アリスの言葉には、深い意味が込められているようだった。しかし、その答えがすぐには分からないユウキは、さらに尋ねることにした。
「解き明かすもの…?」
アリスはゆっくりと頷く。「君が守ろうとしているもの、そして君の心の中で最も大切にしているもの。それが試されるときが来る。君がどれだけ大切に思うかが、星々を繋げる力になるのだ。」
ユウキは一瞬、言葉に詰まる。しかし、すぐに頭の中でその意味を考え始めた。ナナとの約束、仲間たちとの絆、そして自分自身の未来――すべてが繋がっていると感じる。
「僕は…守りたい。皆と約束した未来を。」
その言葉に、アリスは少しだけ微笑んだ。「その答えが、君に力を与える。けれど、試練は決して簡単ではない。」
そう言うと、アリスは星空を見上げた。その目は、まるで遥か遠くの星々を見透かすような、力強い瞳をしていた。
「君が進むべき道は、この先にある。しかし、その先には闇も待っている。君がその闇に立ち向かう勇気を持っているか、それが試されるだろう。」
ユウキはその言葉を胸に刻むと、再び前を向いた。これから先に待ち受ける困難を、彼はすべて受け入れる覚悟を決めていた。
そして、二人はそのまま星空の道を進んでいった。アリスの言葉通り、目の前には幾つもの試練が待ち受けている。しかし、ユウキには今、強く心に誓ったことがあった。それは、決して一人では歩まないということ。そして、どんな困難があっても、絶対に守るべきものがあるということだった。
星々が輝く中、彼はひたすら前を向いて歩き続けた。