26. 星の島へ
ユウキが決意を固め、ナナとの会話を終えると、彼はすぐに準備を整え始めた。星図を手に、必要な道具を一つ一つ確認しながら、星の島への旅路を着実に準備していった。しかし、その手が止まったのは、ひときわ明るく輝く星に目を奪われたときだった。
「この星…」ユウキは星図の中に光り輝く一つの星を指さし、つぶやいた。「裏切りの星?」
ナナが後ろからユウキの指差す先を見て、少し沈黙した後、ゆっくりと答えた。「それは、星の島を目指すために必要な星よ。でも、注意して。この星が示す場所には、ただの道しるべ以上の意味があるの。」
ユウキはその言葉を胸に、再び星図を眺めた。裏切りの星――それがどんな運命を引き寄せるのか、彼にはまだその真実がわからなかった。しかし、彼の心には、確かな感覚があった。この星が示す道を進むことこそが、自分の未来を切り開く鍵だと信じて疑わなかった。
「よし、行こう。」ユウキは深く息を吸い込み、目の前に広がる星空を見上げた。「星の島、そして『裏切りの星』。俺は、必ずその秘密を解き明かす。」
ナナは少しだけ不安そうに彼を見つめたが、それでも言葉を続けた。「あなたの決意を見てると、私も迷うことができなくなるわね。でも、気をつけて。星の島には、私たちの知らない何かがある。それに、裏切りの星の力を引き寄せた者たちが、過去にどうなったのか…それも知っておくべきよ。」
ユウキはその言葉を受けて、力強く頷いた。「怖くないさ。どんな試練が待っていようとも、俺は行くよ。君と一緒に。」
彼のその言葉がナナを少しだけ安心させたようだった。星の島への旅が近づく中で、ユウキとナナはお互いに支え合う決意を新たにした。しかし、二人が向かう先に、どんな運命が待っているのか、それを知る者は誰もいなかった。
夜空に浮かぶ星々が静かに輝きを放ち、彼らの決意を見守っているようだった。その中に、ユウキとナナが今、最も必要とする光があるのだと信じて。
――星の島が、運命を試す場所であることを、二人はまだ知らなかった。