百合小説 【第41話】
「ペンキそこ置いておいて」
燈籠祭の準備がラストスパートを迎えようとしている。残り1週間まで近づいてきたその頃の私たち。
「いい写真が増えてくなぁ」
「ですねぇ」
皆が準備している間にあろうことか嘉陽田さんの家でぬくぬくと2人うつ伏せにして布団に入りスマホを眺めている。スマホには私の画像がファイリングされているものがあり画像は日を追う事に増えていく。
「微動だにしないだって…」
「慣れてきちゃって」
最初は顔を写さないように隠していたが、日が経つにつれて私の顔が写っている写真が増えている。
「一眼買おうかな」
「恥ずかしいですよそんな重装備で撮られるの」
「さっちんはこの中だとどれがすき?」
「これ」
スマホの画面をスライドして自信ありげに盛られている嘉陽田さんと私が顔を伏せて写っている写真を指さした。
「お〜なぜに」
「王道を行く嘉」
「はい淫○語録ぅ〜」
淫○語録という単語が言葉を遮ってまで発言したかったのかと少し密着していた体を離した。
「あの…」
「ん?」
「…なんで知ってるんですか」
「ゆりっちの家に行ったら実況付きで見せられた」
西条さんならやりかねないとは思うものの、純粋無垢な嘉陽田さんに教えて欲しくなかった。ここまで来ると洗脳の域に達しているのではないかと興醒めする。
「実況付き…」
別に否定はするつもりは無い。
「…」
ほんの一瞬だけ「どうでした」と感想を聞きそうになったが何とかこらえることができた、危ない。私の理想の嘉陽田さんでいて欲しい。危うく私の理想が壊れてしまうところだった。
「どうした〜嫉妬した?」
「いや別にしてないですけど、それよりもそんな嘉陽田さんが…いや、この話はやめにしましょう。」
「西条さんとまたAV見ようかなぁ〜映画観たいのあったんだよなぁ」
少し拗ねたのか西条さんの離しで私を煽ってくる。そういうのは嘘でもして欲しくないけれど、私は別に
「付き合ってる訳でも…」
そう。付き合ってる訳でもないのにそんな独占欲が沸いたところで仕方がないのだ。きっとホス狂いとかの人はこうやって沼っていくのかもしれない。
「ん?」
「ごめんなさい、嫉妬です」
「可愛いなぁお前は」
小百合でもさっちんでもなければお前という言葉に変換された。言葉が強いのはもちろんのこと。一所有物のような扱いをされている気がする。所有物という点で私は飼い慣らされている気がする。手を重ねて来ようとしたので、追い払って腕を掴み、引っ張るように体を仰向けにさせ私がその上に乗って顔を見つめた。
「あんまり強い言葉使わないでくださいよ」
「不純だねぇ〜もうそろいいんだよ?」
「これじゃあただのセフレじゃないですか、付き合ってもないのに体の関係許してしまいにはなんですか、急に私が許さないみたいな…」
「じゃあ許すわけ」
「そりゃ許しますよ、こんな状況じゃなければいくらでも許しましたよ。」
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