百合小説【第33話】開催!全学系交流会④私はネットの有名人?
見慣れない背の高い人に話しかけられ、嘉陽田さんの背中に隠れた。女子の170cmて全体の2%くらいじゃないの…?そんなことを思いながらただ顔を出して会話を見るしか無かった。
「体育学系2年の浅見です。」
何か察すように嘉陽田さんが頭を撫で始めた。気分がこう…ソワソワする…言語化できない。
体育学系の人らしいが、ジャージは…胸元に日本の国旗がプリントされたもので高校指定のものではなさそう。
「どうもー!おや体育学系の人?ちょうど良かった!」
特に躊躇いもなくいつも通りの話し方をする。
「うちに用事です?」
「交流会やりたくてね!今声掛けられてるのが理数だけで、」
「なるほど!あー…でも今ちょっっと荒れて」
荒れてて…と言うとなんだろうか?野球部とサッカー部がグラウンドどう使うかとか学祭の案出しで悩んでるとか…?
「何で…荒れてるんですか…?すみません出しゃばって」
ふとした疑問で話しかけてしまったが、少し躊躇しつつ私たちに話しかけてきた。
「なるべく…言わないで欲しいんだけど。他学系に言うの初めてだし…」
こうやって噂は広まるのかと胸に思いつつ、火曜出さんが会話を促すように話した。
「全然大丈夫。ね」
「実は…1年の寮生でお酒見つかっちゃったらしくて」
嘉陽田さんのブレザーを強く掴んで、その感情を押しこらえた。この高校すごいよ。問題しかない。火曜出さんはゲラゲラと笑っているがそこまで面白いことだろうか?こういった場合休校とかになるのだろうか?警察?出来ればもう関わりたくない節がある。それより学祭は、と笑いながら嘉陽田さんが話し出した。
「まじ?またポリスメン来る感じ?」
「監督が揉み消したとか何とか、けどそれを気に食わない野球部が校長にチクったらしくて」
「陰湿極まりないねぇ」
「今は処分待ちらしくてねぇ〜クラスの雰囲気最悪だよ。野球部皆ではないけどチクった奴問い詰められてるし、悪くないのにねぇ」
え、転校したい。転校できたりしないかな…少し関わりたくない。転校…って言っても私英語できないし通信とか定時制?とかになるのかな?このまま内部で上がれたら私はそれでいいのだけれど。怖い。
「ちょっと聞いてみようか?あ、メアド交換しとこうよ」
「おけー!これうちの!」
嘉陽田さんがスマホをポケットから取りだしてメアドを交換し始めた。
「良かったら影井さんも…どう?」
初対面の人がやはり怖いと最近では思ってしまう。この場の空気を悪くはしないようにと、交換を話そうとしたが、何か察したか浅見さんが話し出す。
「あ!ごめん授業とか大丈夫?」
「良かったら私ずてで渡しとくよ〜どう」
そう頷き、理数学系の教室に向かう。
「あの」
「ん」
私なんかを相手にしてもらって、嘉陽田さんには頭が上がらない。いつかこの恩を返そうと思いつつ、ふとした疑問を問いかけた。
「良かったんですか?嘉陽田さんまで遅刻して」
「まぁ?別に大したことないよ!遅刻とかしても別に評価下がらんし」
「うち、遅刻も評価対象ですよ…?」
知らなかったからというのは納得がいった。どうやら学校で違うらしく
「え嘘?」
「3回遅刻で1回欠席扱いです。」
「…まじ?」
「5回欠席でアウトです。」
「まぁいっか!なんとかなる!」
「ちなみに補習とかは無いです。」
「…まずい!」
なぜここの高校を志望したのか…本当にもっと選択肢あっただろうと思うけれど、そんな余裕は当初なかったのかもしれない。
「芸能科行けばよかったのに…どうしてここ来たんですか本当に…」
「ねー!まぁ楽しいしいいや! 」
校舎内で堂々と手を繋ぐ。もう今は何も隠さないように振る舞いながら理数学系の校舎にたどり着いた。




