百合小説【第31話】開催!全学系交流会②大事になっちゃいましたね。
主な登場人物一覧
【影井】黒髪ミディアムボブ低身長紫目巨乳
本作主人公、理系学系1年(1年留年)。陰キャで大手VTuber事務所所属。一人称は私。
【嘉陽田】金髪ロング高身長赤目。
本作ヒロイン、国際学系1年。陽キャで白石杏里として芸能界で活躍している。
【西条】青髪ツインテ小柄女子。
国際学系1年。頭がキレるセクハラ大魔王。
【伏田】身長198cm褐色男子。
国際学系1年。男子陸上強化指定選手に選定。
【飛鷹】理系学系成績1位、性格はクズ
【二藤】飛鷹の代わりにクラスを仕切っている。
飛鷹が別室に呼び出されたが、骨折ということもあり、全員がその場で先生から待機を余儀なくされた。事間もなくして、救急車と警察車両が構内のグラウンドに入ってくる。学祭がどうこうでは無くなってきてしまった。
救急隊が到着して伏田の所に向かったのだろう。タンカに運ばれている飛鷹は、その上で蹲り見苦しいほどわざとらしく痛がっている。
「伏田だ!あいつが俺の腕を!!!痛い!!痛い!!」
教室の外から飛鷹がタンカに運ばれ、その場の全員が即時に事情聴取という流れになった。
「警察です。飯田警察署の惣門です。暴行事件が発生したと通報を受け調査に来ました。」
「理系学系1年の二藤です。お忙しい中ありがとうございます。」
二藤が警察の近くに行き事情を軽く説明している。
「まずは座ってお待ちください。」
という警察からの指示で直接関係のある人以外は机に座り無言で待機になった。尚、事件の当事者、私と伏田、その近くにいた嘉陽田さんと西条さんは後で詳しく聞かれるらしい。
「事件について、どのような形で起こったかことがあればお聞きしたいです。」
警察がクラスの生徒全員に声をかけるも、1人の生徒が1から100までこと細かく説明している。全てあっているが、話が長く理解が難しいところが露呈してきて警察も少し困惑している。
「この中で何か写真とか動画撮ってる奴はいるか?」
話を遮り、警察ではなく二藤がそう周りに声をかけると、何人かが手を上げる。その中で、急かすように前列の男子が椅子から立ち上がり二藤に話しかける。
「俺動画撮ってたんよね」
「今野、見せて貰ってもいいか?」
「これです。」
二藤が近寄ると、警察の人が今野に近づいて話しかけてきた。
「ごめんね、ちょっと見せて貰っていいかな?」
音声から、嘉陽田さんが声を掛けたところから始まって、飛鷹の骨が折れる音辺りまで録画されているのだと思う。
「そこの子、ちょっと来て貰ってもいいかな?」
私が呼び出された。
「はい…?」
「ここなんだけど、知ってることを話してもらってもいい?」
そこまでの経緯を話すと、警察は咄嗟に無線で連絡をし始めた。
次第に警察車両は増え始め私は高校の別室で指紋検査かDNA検査かを行われ、その後は10時頃までだろうか、警察署で事情聴取を行われた。事件発生時の状況と直接の行動、相手やその周りの関係性や挑発の経緯と多岐にわたる。
「小百合!」
母が車を出して警察署まで迎えに来た。
「怪我は無い?」
「大丈夫…それより他の人が心配で…」
車に乗せてもらい、少しの雑談を交えて、SNSで情報収集をしている。夜遅くに学校からメールが届いている。それを開き、学校の内部生ホームページにログインすると、1番上に注意喚起の文章が載っている。
『生徒の皆さんへ
先日、校内で発生した事件について、皆さんにお知らせとお願いがあります。
現在、関係機関と協力し、事実関係の確認を進めておりますが、事件に関する情報がSNSを通じて拡散されることにより、関係者のプライバシーや心情を傷つける可能性があること、また、捜査や調査への影響が生じる恐れがあることが懸念されます。
このため、SNSなどのインターネット上において、事件に関する投稿やコメントの掲載を控えていただきますようお願いいたします。誤った情報の拡散は、関係者だけでなく、学校全体にも大きな影響を与える可能性があります。
生徒の皆さんには、他者への配慮を忘れず、冷静な行動をお願いするとともに、学校生活が早期に正常に戻るようご協力をお願いいたします。
ご理解とご協力をよろしくお願いいたします。』
高校の対応は迅速で素早いものだが、Twitterを開くと、それを見ていなかった内部生の投稿と外部の野次馬の投稿ですぐにトピックで上がっていた。
真っ先に嘉陽田さんに連絡しようと思いスマホを開くと10件以上の通知が入っていて、為井くんや嘉陽田さん、それを嗅ぎ付けた家族や親戚からだった。一目散に火曜出さんの連絡を返す。
『さっちん事情聴取どうだった?』
『いやぁ疲れた。食事休憩あるの意外だったな。』
返信後すぐに既読が付き、1分もかからず返事が帰ってくる。
『そういえば学校当分休みだって、全学年らしいよ〜』
『休みなんだ、嬉しいって言ったら不謹慎かなこれ』
『ビデオ通話しない?今大丈夫?』
疑問に対しての返答はなかったが、ビデオ通話しようとなった。事情聴取が終わった私は大丈夫らしいが、他の人はどうなのだろう…。
『家帰ったらで良ければ』
『OK!グループ入れとくね』
グループに入ると、私を含め6人のメンバーが登録されている。先生も入っているが、その中に1人猫のアイコンの知らない人が混ざっていた。
『この人誰?』
『学長だよ』
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