百合小説【第28話】抜け駆けは二股の始まり?①
主な登場人物一覧
【影井】黒髪ミディアムボブ低身長紫目巨乳
本作主人公、理系学系1年(1年留年)。陰キャで大手VTuber事務所所属。一人称は私。
【嘉陽田】金髪ロング高身長赤目。
本作ヒロイン、国際学系1年。陽キャで白石杏里として芸能界で活躍している。
【西条】青髪ツインテ小柄女子。
国際学系1年。頭がキレるセクハラ大魔王。
【伏田】身長198cm褐色男子。
国際学系1年。男子陸上強化指定選手に選定。
「…」
「青春って予備校よりも大事なイベントなんやで、ねーおねぇ」
池袋駅を出た大型施設の下で、西条さんが私の袖を弱々しく引っ張り、つぶらな瞳でこちらを見てくる…カラコンしてるんだ。
「う、うん」
軽い相槌を打ったあとに西条さんは左腕を回して指を伝い手が触れる。その感触は柔らかく、こどもの日の記憶が淡くよみがえった。それを下ネタ1つで台無しにできるのだから西条さんのトークというのは才能だと思う。嘉陽田さんが私の右腕を引っ張り、私を引き離し両腕で私を丸く収め威嚇する。
「てめ人の小百合取ってんじゃねぇぞ」
「…」
青髪のツインテールが揺らぐ。その横暴さを見て何を思ったかニヤつきはじめて、私と嘉陽田さんを見て何かを考えるように煽り始める。
「えー付き合ってんの?」
「それは勝手でしょ?!」
「いや…付き合ってるってか…その…」
「え、ガチのヤツ?!朝ドラ女優と人気Vウェ!!」
頬袋のような西条さんの顔を鷲掴みにし、それ以上言わせんと、ガンを飛ばした。
「ちょっとここ外なんですけど…」
モゴモゴ何か言っているが涙目になってきて少し可愛い。そんな間に嘉陽田さんが間に入り仲裁した。
「さっちんストップ!死んじゃう!ダメ!」
我に返り手を離した。西条さんが涙ぐんでぐしゃぐしゃな顔でこちらを見てくる。
「わる…悪かったって」
なんか…なんだろうこの小動物は…目を離してちゃいけない気がする。こちらから近寄って抱き寄せると西条さんが呼応するように抱きついてきた。子を持つ母はこのような気持ちなのかと、母性本能からか西条さんを愛でることにした。
「よしよし…ごめんね…痛かったね」
「さっちん不倫!やーだ私も!なでて!」
「嘉陽田さんいつもしてるじゃないですか?」
「どっちのいつも…?」
この大型犬はこれくらい雑でも大丈夫という安心感がある。嘉陽田さんと会ってからなん時間が経っただろうか。
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