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百合小説【第17話】女の子に告白されました。高一女子です。

帰宅後、ママには弾丸のような言霊をぶつけられ、次連絡がなければGPSを着けると言われた。これは愛情か束縛か、女性として生まれてきてしまった性なのかもしれないと男性の自由さを羨ましく思う。普段は優しいが、このような脅迫癖は幼い頃からある。受験期は特に顕著で、模試の成績が良かろうが悪かろうが何かしらの難癖をつけ叱ってきた。その日の寝つきが悪く、朝の目覚めは早かった。学校にはいつも通り朝から登校し、昼食はトイレで食べ、ホームルームが終わり一目散に学校を出た。ひとつ思ったのが、いつも通りの1日が退屈に感じる。あんな一方的で手荒で傲慢な人、そんな事を思っても嫌いになれなかった。

学校を出ても8時半まで暇を潰すところなんて…瑞稀ちゃんの喫茶店で時間を潰すことにした。

「こんにち…小百合ちゃんお疲れ様〜」

「お疲れ様です」

「いつもの?」

「はい、それと冷やしパンケーキ頂いてもいいですか?」

「あら気に入ってくれた?嬉しいわ」

安定の入口右奥の角席へ向かう。客もまばらで人も少なく居心地が良い。寝不足のせいかネガティブなことばかり考えてしまう。嘉陽田さんに嫌われてしまうのではないか、嘉陽田さんにどう接すればいいのか、いつも通りに会話はできるのか。嫌いになりたいのになれなくて、もしも薄情な人間にになれたらどれほど良かったか。答えなんてないのかもしれない。ネットで女子に告白された時の対処法を聞いてみる。


『女の子に告白されました。高一女子です。昨日、女友達と宿題をやっている途中で告白されキスやそれ以上の行為を求められました。同性からの告白で戸惑っていて、どう返せばいいのかが分かりません。彼女をそういう目で見たことがなく、もし断ったら元の関係に戻れないんじゃないかと返事はまだ返していません。どうか彼女を苦しまずに悲しませない返事の仕方を教えて欲しいです。どうかよろしくお願いします。』


「おまた…どうしたの」

「え?」

投稿する前に感情が表に出ていた。手は震え、目は汗と涙が入り交じり意識した途端に目が染みてきた。

「話聞くよ」

「うぅ」

いつも通りネットで聞こうと思っていた、見ず知らずの人なら本音を話して意見を聞きやすい。知り合いとなると、1人に話した途端、気が付かぬ間に周知の事実となっていることはよくある。私は人を信用していない事を改めて思った。階段から降りてくるような足音がし、カウンター裏の戸が開いた。

「小百合ちゃんだ、中学校以来…あぁ…」

「夜勤私やるから、小百合ちゃん、こっち中入って」

「…う」

頼んだものを瑞稀ちゃんのお父さんにプライベートルームまで運んでもらい、私と幸代さん、2人だけの空間となった。観葉植物やウッドテーブル、暖色系の色を使ったシーリングライト喫茶店の雰囲気とよく似た温かい内装になっている。私は先に座り、幸代さんは席には座らず立ちながら話しかけてきた。

「杏里ちゃんのこと?」

「はい」

瑞稀ちゃんの感の鋭さと言えば母親譲りなのかもしれない。

「昨日瑞稀から聞いたけど、偉いよ。よく頑張ってる」

頭を撫でられる、

「う゛ぁぁぁぁ…」

こういう温かさが、こういう人の温もりが欲しかった。

「抱え込んでたんだね」

幸代さんの黒のエプロンが、私の涙と鼻水でぐしょぐしょになった。そんなことは構わず私のことを抱きしめてくれている。母親のような温かさ、周りを気にせす泣きじゃくった。落ち着くまでコーヒーは冷め、冷やしパンケーキは冷気を失っていた。

「これ、新しいの。それ僕食べるから」

お父さんが気を利かせてか、新しいのを持ってきてくれた。コーヒーは幸代さんがいつも作るので、代わりにホットココアを幸代さんにはコーヒーを作ってくれた。

「ありがとうございます」

「何があったの?」

「嘉陽田さんさんと…杏里ちゃんと、友達に戻りたくて」

「杏里ちゃんとは友達じゃないの?」

「告白されて、」

「私もね、中学の頃にそんなじような経験があってね、友達の女の子から告白されたの。」

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