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 第60話 チーム (4)

夜、小山内から来たメールによると、あの後、店員さんが呼んだ警察の人も来て大変だったらしい。小山内もいろいろ事情を聞かれて、名前とか控えられたそうだ。

前回の春田さんの時も小山内はいろいろ聞かれてたから、事情聴取事態は恐くはなかったけれど、こんなすぐにまた警察のお世話になるなんて、私も立派な高校生探偵ねって冗談が書いてあった。

…冗談だよな?


黒髪をたなびかせ、数々の難事件を超能力で華麗に解決する高校生美少女探偵!犯人にかける言葉はただ一つ!

「あんたバカなの?」

しかし!

真の超能力者は横に控える高校生間抜け助手であった!

ババーン!

てか?


いやラノベか少年漫画ならありかもしれんが、普通の高校生がそう何度も殺人事件なんかに遭遇してたまるかよ。

却下だ却下。


そんで、次の日もテスト前期間で部活は休み。

進学校らしく、ピリッとした空気がしている。

俺、ここに来て良かったんだろうか?

小山内にバカにされないように勉強頑張ろ。


なんてことを思ってると、朝のホームルーム前に伊賀が新聞を持って、俺のとこにやってきた。高校生と新聞という奇妙な組み合わせに面食らいつつ、とりあえず聞いてみた。


「なんかあったのか?」

「これ、小山内さんのことじゃないのかい?」


どれだ?小山内はなんだかんだ言ってかわいいからスカウトでもされたか?

なんて思って伊賀が見せてくれた記事を見たら、地方面に、「女子高生お手柄」という小さな記事が載ってる。

なに?!


伊賀から新聞を奪い取って読むと、昨日の出来事が書いてある。さすがに写真は載ってないが、「金森駅前のコンビニエンスストア」とか「女子高生」とかの文字が目に飛び込んでくる。

記事の内容は、小山内から聞いた昨日の出来事そのまま。

でも何で、伊賀がそのことを知ってるんだ?


「伊賀、なんでこの記事が小山内さんのことだってわかったんだ?」

「うちの学校の裏掲示板で流れてた。小山内さんがコンビニで警察に事情聴取受けてるところをうちの学校の誰かが目撃して、万引きかと思ったら警察官に褒められてた、って書いてあった。」

「そうか。」

「小山内さん目立つからね。もう男子の間じゃ同学年以外でも知られてると思うよ。」


そう言って、伊賀は俺の顔をチラッ見して余計な一言を付け加えた。


「テルも気をつけろよ。」

「何にだよ。」

「胸に手を当てて考えてみなって。」


誰かさんみたいに「キモっ」って言ってやろうと思ったけど、イケメン伊賀がさわやかな笑顔と共に言いやがったら、どこを探しても「キモっ」の要素がねえ。

なんだこの敗北感は?


ただ、たしかに、小山内は目立つ。だから、小山内が最初に計画してたみたいに、俺たちが人助けの活動をしていくときに、小山内が困ってる人に接触して、信用出来る人かどうか確認してから俺が出て行くってやり方は、見直した方がいいかもしれないな。

小山内任せにせず、俺も考えてみよ。



その後、中間テストまで、とくに何かあったわけでは無く…

まあ、ホリーが弁当に、ご飯とチーズ詰め合わせをもってきたことと、河合さんが、あの記事の後、さらに小山内ラブを加速させたくらいか。


まあ、こんなことはあったけど、無事に中間テストが始まって、俺が勉強不足を痛感して、テストが終わって、無事に答案が返ってきて、予想どおりの点数で俺は肝を冷やしましたとさ。


小山内はどうだったかって?

いや、俺とあいつと比べるなよ。

そういうのを無粋っていうんだ。


そうやって、テスト期間が終わり、また、部活が解禁された。

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