表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
月に咲く花が太陽になるとき  作者: 空井 奏音
8/88

8、アイル視点



レイとの約束通り

満月の夜0時に城に弟たちと侵入。


レイが言っていた通り

警護は少なく、何の問題も無かった。



が、レイの部屋に来客があった。


あれはシャナ王妃と、その召使いか?


少し窓が開いているからか

2人の会話は俺たちに筒抜けやった。



「王妃様、このような夜更けに何の御用でしょう」


「そなたの教育がなっていないので注意しに来た」


「と、申しますと?」


「王様や私を差し置いて城外へ出ては

国民たちの支持を集めているとか。

それは王様や私たちを冒涜しているのでは?」


冒涜って…


後から来た王妃が正当な血筋の王女に向かって

よう言えたな…


それでもレイの顔色は変わらへんかった。


「冒涜などしておりません。

きちんと王様の許可を得て行動しておりますし

これは昔からやっていること。

王妃様に口出しされる覚えはございません」


まぁ、確かにな。


後から来た者が王族のやり方に対して

文句を言うのは良くないやろ。


とくにトルヴィアノは、その辺にうるさいからな。


「王妃様に向かって、なんと無礼な!」


「無礼?

私と王妃様の会話を勝手に聞き、

勝手に口出しをするようなやつが

よくも、そんなことが言えるな」


召使いは反論できず黙り込んだ。


「王妃様。私は王妃様と争いたくございません。

私は常に王様の命令に従って行動しております。

それを口出ししたとなれば王妃様はどうなるでしょう」


王妃も何も反論できず黙り込んだ。


「私への教育について口出しする前に

ご自身の召使いたちの教育を徹底してくださいませ。

これでは王妃様が恥をかいてしまうでしょう」


何も言えず目を泳がせる召使いたち。


その視線が王妃に集まった頃、


「…今日は、もう下がるとしよう。

夜分にすまなかったな」


「いえ」


と、王妃たちはそのままレイの部屋を出ていった。


召使いたちも何も言い返せないまま王妃の後に続いた。



会話を聞いていれば

どちらに、きちんと教養があって

どちらが、より権力を握っているのか

誰が聞いてもわかるやろ。


王妃相手でも物怖じしない。


その上、正論のみで論破していく。


さすがトルヴィアノ王国第一王女。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ