2、アイル視点
彼女は…
「私はトルヴィアノ王国、第一王女、レイよ」
10代とは思えないほど、堂々としている。
トルヴィアノ王国は、この世界で一番大きな国。
戦争を嫌い、何でも話し合いのみで解決する
平和そのものの国。
国内の争いも少なく、表向きは美しい国。
そして
トルヴィアノ王国には誰も知らない秘宝がある。
それが、なんなのか誰も知らん。
本当に存在するんかも、わからへん。
それを調べ、盗むのが俺たちの今回の任務。
それがトルヴィアノの王族にバレたとなれば大失敗や。
どうしたらええねん…
「安心して。このことは誰にも話さないわ」
はい?
「第一王女の割には甘い考えちゃうか?」
「それはお互い様でしょ?エオッド王国のアイル王子」
「なんで、それを…」
エオッド王国は
俺、サキト、ソラ、サクラ、ダイムという王子がいる。
その中で俺が第一王子。
これも誰もが知っていることやと思う。
でもエオッドの王子たちがこんなことをしてるって
知ってる人はこの世界にそのメンバー以外、存在しない…
それに今、彼女には
仮面のせいで俺の目しか見えてへん。
そのはずやのに、名前までバレてる。
これは、良くない…
「これも私しか知らない。
誰にも言わないし、その傷の手当てもする。
何か、困ることでも?」
第一王女に全ての弱みを握られてる以上、何もできひん。
これは、ほんまに大失敗や…