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カエル とぶ(漢字バージョン)

作者: 明礬

まずはひらがなだけで書いてみたのですが、

読みづらいし、そもそもこの長さを小学校低学年(漢字全然読めない子)が読めるわけがない…。

と思い、漢字バージョンを作りました。


少し見やすくなったかなぁ・・・と思います。

ある山のなかの 小川のそばの小さな池。

そんな所に住んでいる 小さな生き物のお話です。


--------------------------------------------------------


僕はカエルのトオ。

おたまの時には 誰よりも泳ぐのが速かった!

足の力が強いのかな!

今だって泳ぐのは誰にも負けないよ!

でも・・・みんなに隠していることがあるんだ。


実は・・・・・泳ぐのは得意なんだけど、、、

とぶことができないんだ・・・。

ジャンプできないんだ。。

なんか怖くて。。

どうしてもできない。。

みんながピョンピョン とんでいく時も

僕は 走って追いかけるんだ。

ずっとそうやってきたから、足もすっごく速くなったよ。

カエルの競走があったら 一番だろうな!

みんなも、

「あいつは 足が速いからなぁ~」

「とぶよりも 走った方が 速いんだろうな~」

って言って とべないとは 全然思ってないみたい。


なんでとべないかっていうとね・・・。

実は・・・見ちゃったんだ。。

どれだけ 高くとべるかを 競っていた カエルたちが、

高くジャンプした瞬間・・・・!!!!

鳥が!!!鳥が来たんだよ!!

そして、くわえられちゃったんだ。。。

あっという間で 誰も何もできなかった。。

・・・それだけじゃないんだよ。。

しばらくしてから ふと近くの 木を見たら、

そのカエルが 木の枝に刺さっていたんだ・・・。

怖くて怖くて・・・。

それを見て どんな場所でも ジャンプするのが怖くなっちゃったんだ。。

みんなは 僕がそんな臆病者だって 知らないけどね。。。


--------------------------------------------------------


そんなカエルのトオは みんなの人気者です。

泳ぐのも走るのも速いので

みんなから 尊敬されていました。


少し雨が降っているある日、

トオと仲良しの友達カエル、

ログ・ロケ・ピンの三匹は 遊びにいくことにしました。

カエルにとっては 少し雨が降っている時が

一番遊べる時なのです。


トオはこの四匹の中でいつも、

「今日はこんな遊びをしようよ~。」

と言ってみんなを引っ張っていました。

それは実は、うまく、ジャンプしないでもできる遊びを 言うためだったのです。


トオは言いました。

「今日は、ちょっと遠くまで行ってみようか?」

ログはすぐに賛成しました。

「賛成!俺達も大きくなってきたし、もっと遠くも行ってみたい!」

ロケも 乗り気です。

「そうだね!ワクワクするね!」

ピンは少し考えています。。

「でも、戻れなくなったらどうしよう?」

ロケは言いました。

「大丈夫。まっすぐ進むことにすればいいんだよ。」

トオも言いました。

「それはいいね!曲がったりしないで、とにかくまっすぐに進めば

 戻る時も大丈夫だね。」

ピンはまだ心配そうです。

「でも、急に天気が変わって 晴れちゃったら ひからびちゃうかも・・。」

ログは言いました。

「大丈夫だよ!俺 今日出る時に 天気どうなるかな?って

 親父に聞いてみたんだ。

 そしたら、『今日の雲の流れ方は 晴れることはないだろう。』って言ってたよ。」

ピンは だいぶ安心したようです。

「それなら・・・行ってみようか。」


こうして四匹のカエルは 今まで行ったことがない遠くまで

行くことになりました。


ワクワクしながら進む 四匹。

今まで見たことのないような 新しいものを見つけます。

雨のなか咲いている きれいな紫色の花。

花が集まって 大きな花になっているように見えます。

ピンは大興奮です。

「きれいだね!!あんな花 見たことない!来て良かったなぁ。」

トオも満足しています。

「本当にきれいだね!まだまだ知らなかったことってあるんだね。」

ログもロケも

「もっと色々見てみたい!」

とトオがペタペタ走る後ろを ピョンピョンとんで先へ進みました。


ログが何やら見つけたようです。

「お~いみんな!あれは何だろう?」

ロケは足を止めて よく見てみました。

「あれは、カタツムリだよ!僕食べたことがある!」

トオも言いました。

「そうなんだ!僕は 虫しか食べたことないなぁ。」

ピンも言いました。

「うにょうにょ 動いていて・・・ちょっと・・・・可愛いね!」

「え!?・・・・可愛い!?」

みんな少し驚きましたが、ずっと見ていると 可愛く見えるような気もしてきました。

トオは言いました。

「可愛く思えてきたから食べるのは やめておこうか。。」

ログは ちょっと残念そうです。

「しょうがない・・・か。でも食べてみたいな・・。」

ロケは言いました。

「でも、カタツムリは 中に虫がいることもあって、

 それが僕たちの中に入ると大変なことになるかもしれないらしいよ。」

ピンは言いました。

「可愛いけど、そんな危ないこともあるんだね!

 とにかく食べるのはやめておこう。」

ログも納得しました。


さらに進んでいくと また初めて見るものに 出会います。

しかし とっても怖いものだったのです!!

それは・・・・・・

ヘビです!!!


トオはみんなに 小さな声で言いました。

「やばいよ・・・。ヘビがいた・・・。」

「え!?」叫びだしそうなみんな。

トオは言いました。

「絶対に 声を出さないようにしよう。」

ロケも言いました。

「まだ気づいていないから 大丈夫・・・。」

ピンはすでに泣きそうです。

「こ・・怖い・・・。」

ログは勇ましく、

「俺が戦おうか!?」などと言っていますが、

全力で みんなに止められていました。


ゆっくりと静かに その場を離れようとする四匹。

しかし、カエルがジャンプして逃げようとすると

結構 目立ちます。

ピョンピョンしている姿を ヘビは見つけたようです!!

トオは叫びました!

「見つかったよ!!!はやく逃げなきゃ!!」

ログは、

「俺がおとりになろうか!?」

などと勇敢に 言っています。

ロケは、

「危ないよ!!それより、さっき通った池の中に 逃げよう!

 ヘビはきっと泳げないよ!!」

ピンは もう泣いています。

「えーんえーん・・。怖くて身体が・・・。」

ヘビと目が合ったのでしょうか。

怖くてピンの身体は 固まってしまったようです。

トオは言いました。

「背中にのって!走って運ぶから!」

トオは背中にピンを乗せると 池に向かって走りました。

ヘビはどんどん 近づいてきます。

ログとロケは 池について潜りました。

トオは一生懸命 走っています。

ヘビがすぐ後ろで 大きな口をあけました。

食べられる!?

そう覚悟しましたが、目の前には もう池がありました!

おもいっきり そこに向かって頭からとびこみました。

そして潜りました。

ヘビは水の中には 入れないみたいです。

良かった・・・。

ピンも背中で安心したように 息をはきました。



トオは思いました。

あぁ・・びっくりした。。

危なかったなぁ。

でも良かった・・・。

そういえば、最後、僕 もしかして とんだ・・・!?

初めてとぶことできた・・・!?

横にとぶような感じだったけど とんだような・・・。

僕とべたのかも!


ピンに聞いてみました。

「僕・・・とんだよね?」

ピンは、

「うーん怖くて怖くてわからなかったけど・・・どうしたの?」

ログとロケにも聞いてみました。

「僕・・とんでたよね?」

「え?潜ってたからわからないけど、とぶのがどうしたの??」

ログとロケは何言っているの? というような顔をしています。

トオは、とべないこと知らないから、変なこと言っているように思われたんだな。

と思いました。

「何でもないよ~ヘビも行っちゃったし。そろそろ帰ろうか。」

と言いました。


四匹は帰るために 歩き出しました。

トオはジャンプしてみようと 思いました。

しかし、やっぱり足がうまく動かず、できません。。

おかしいな・・・さっきはとべたと思ったんだけど・・・。

そんなトオの様子に ほかの三匹は全く気づいていません。

それどころか、ロケが

「ジャンプするとまた、ヘビに見つかるかもしれないから、

 歩いて行こうよ。」

と言うのでみんなで歩いています。

ピンは言いました。

「トオはすごいね。ジャンプするより、走った方が速いんだから。」

ログも言いました。

「泳ぎも速かったけど、走るのも速いよなぁ。

 俺も走る練習をしておけば良かったなぁ。」

トオは みんなに褒められて嬉しそうにしています。

・・・べつにとべなくてもいいかぁ・・・。

トオはそんなことも思いながら 少し強くなってきた雨のなか

おうちへ戻ろうと 歩くのでした。



もうすぐでおうちにつくという所で 雨がだいぶ強くなってきました。

一番前を進んでいたトオが止まりました。

「これは・・・・・!!!」

見ると 行く時に通った時にはなかった 「川」がそこに ありました。

雨が強くなったので 川ができたみたいです。

流れが速く 大きな川まで繋がっていそうです。

「この川に落ちたら・・・・。」

ピンはまた不安そうな顔をしています。

ロケも、

「僕たちの住んでいる所には 戻れないだろうね。」

と青ざめています。

ログは、

「大丈夫大丈夫!ほら、あそこを見ろよ!

 ちょうどいい感じで 細い木の枝が たれさがっているだろ。

 あれにつかまってからとべば向こうにいけるよ!」

と言いました。


たしかに、川幅もそんなに広いわけでは ありません。

上にちょうどいい枝もあります。

ロケも賛成しました。

「戻るためには そう・・・・するしかないね。」

ピンはまた震えています。

「落ちたらどうしよう・・・・。」

ログが言いました。

「やるしかねぇよ!ここでずっと暮らすか?」

ピンは首を横に振りました。

「それは・・・嫌だけど・・。」

でも、ピンよりも青ざめた顔をしているのが トオでした。

・・・・ジャンプしない限り 戻れない・・・・。

ためしにその場でジャンプしようとしましたができません・・・。

う~ん・・・。どうしよう・・・・。・・・・・。

ロケが言いました。

「はやくいこう。そうしないともっと川が 太くなっちゃう。」

ピンも覚悟を決めたようです。

「あのぐらいならとべると思う・・・。」

トオは言いました。

「僕は最後に行くね。。みんな先に行って・・・!」

みんなはうなずきました。


まず最初にとぶのはロケです。

「よっしっ!せーのっっ!!!」

気合を入れてとんだロケ。

うまく細い木の枝に つかまりました。

そしてしなる細い木の枝を うまく使って向こう側の石へとびました。

「よっしゃあ!!」「やったぁ!!!」

見ているみんなもロケも叫びました。

次は、ピンがとびます。

「よし・・・。行くよ・・・・!さんはい!!!」

怖いと考えないようにしながらジャンプします。

ピンの身体は軽く、高くとぶことができて、うまく細い木の枝につかまることができました。

そして、そこからもうまくとんで向こう側の石へ とぶことができました。

ピンは涙を流して喜びました。

ログもロケも、ピンのことを一番 心配していたので、

これで全員 無事に 帰れるだろうと 思いました。


ログが言いました。

「よし!!俺もいく!!!とおりゃあぁぁぁ!!!」

ログがとびました。

細い木の枝にとびつきました。

しかし その瞬間!!

細い木の枝は しなって 折れてしまいました!!!

「あ!!!!!」

ロケもピンもどうすることができません。

ログは身体も大きく 少し重かったのでしょうか。

このままでは流れの速い川に落ちて もう会えなくなってしまいます。


ログが 木につかまって落ちた瞬間、

トオはもう走り出していました。

助走をつけて おもいっきり ジャンプしました!

トオの目にはログのことしか見えていませんでした。

落ちてくるログ。

そこに横から すごい勢いでトオがぶつかりました。

そして、二匹は 向こう側の石の下の方

ぎりぎり水が来ない所にはりつきました。


「はぁはぁはぁ・・・・・。」

僕はやったんだ・・・・。

とべたんだ・・・・!

とべたんだ!!

ログを助けることができたんだ!!

いつもは元気いっぱいのログも何も考えられないのか

その場で固まっています。


ロケとピンが走ってきました!

「やったね!!!!」

「もうだめかと思ったよ・・・・。」

ピンは大泣きしながら 抱きつきました。

石の上まで行って やっと落ち着いたログは お礼を言いました。

「本当に ありがとう。。助かったよ。。」

トオは言いました。

「本当に良かった・・・。」

そして小さな声で言いました。

「僕はとべたんだ・・・。みんなのおかげだよ。」



それから四匹は仲良く帰りました。

そしてお父さんお母さんに 勝手に遠くへ行ったことを こっぴどく怒られながらも

冒険をして 大きくなった自分を 嬉しく思うのでした。


カエルの世界どうだったでしょうか。


活動報告に少し裏話や設定について載せておこうと思います。


もしよければご覧くださいね。

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