5.準備
烙印の魔法使いは主君を裏切り、学園へ行く
どうでしょう、このタイトル。ネタバレ情報含みますが。
魔王の部屋から退室したシュウアは私室に戻り、取りあえず準備を始める事にした。とは言え、明日までだ。業務も有るし、深い思考の溝にはまりかけたシュウアは特徴のあるテレパシー系の魔法の受信をした。
"お時間宜しいですか"
"どうした?"
"午後の稽古です"
"っあ、、、"
すっかり忘れていた。新任務の事で頭が一杯だったみたいだ。つくづく頭が回らないな、、、と我ながら思うシュウア。そんな彼を詰るシュウアの部下。
"あ、って隊長、、、しっかりしてください!!"
"、、、済まない。用事が終わったら行く。それまでは自主練でもしとけ"
"ッは!!"
用事が有るというのは本当だ。彼の従者という立場にいるアリスにこの転勤(というのは微妙だが)の事を伝えないといけない。何しろ転勤は明日なのだから。
・・・・・・・・・・・・
さてこの国についての話をしようじゃあないか。
正式名称は魔王領土圏ヴィルヴァード領。又の名をラキナ帝国。
王はカリス・ヴィルヴァード。魔王らしい。
領土は魔王領土圏の中でも随一の大きさだ。しかし、その大半が森、原始の大森林で覆われている。
国民は、約五万人。その内三万人弱が普通の国民であり、残りは国政、特に軍務に就いている。
ラキナ帝国軍は総数一万五千程。構成は、
帝国軍第02隊 帝国軍第00隊 柛星皇特殊部隊
第03隊 極魔星実験部隊
第04隊
第05隊
帝国軍第01隊は先の戦争で敵国が使用した戦略級魔法”クリムゾン”によって全滅。
00隊というのは他の隊とは比べものにならない別格の強さを持つ最強の部隊である。
謎に包まれている極魔星実験部隊とちがい、柛星皇特殊部隊は比較的中身もハッキリしている。
柛星皇特殊部隊
隊長 極星 シュウア・ローリス
筆頭部下 豪星 アーチ・クァンテット
瞬星 ジン・ファラントム
(ちなみに人物の名前は極秘であり帝国内でも知る者は少ない)