2.義妹
「今日もまたあの夢か。」
一言そう呟くと、彼は身体を起こしただ前をぼーっと見つめる。
彼の名は相馬京介。白髪の髪に右目が赤、左目が青のオッドアイ。スラリと伸びた身長にしっかりとついた筋肉。両親がどこぞの国の人と日本人の父親のハーフのためにこの見た目だ。
「お兄ちゃーん?起きてるー?」
京介がぼーっとしていると、妹と思われる人物の声がする。彼が有無を言う前にその子は足を進め部屋へと入る。
「起きてるじゃん!そりゃそうだよね!今日は新学期兼ひなの入学式だもんねー!制服どう?」
相馬ひな。白髪のロングヘアーに両目が赤。身長はまぁ平均だがスタイルの良さとこの人懐っこい笑顔で人気だ。誰が見ても俺の妹なのだが、実は血が繋がっていない。この事実は俺しか知らないのだがまだ伝えるつもりはない。その方がひなにとっても俺にとっても一線ひけるし、遠慮もいらんからな。
「可愛すぎだろ…」
「きゃはっ!やったー!っとそれはそうとお兄ちゃん。ご飯出来たから着替えたら早く来てねー?」
「そうか。ありがとうひな。」
ひなはその言葉を聞くと楽しそうに微笑みながら京介の部屋を後にする。
「しかし、ひなと登校すんのも一年ぶりか。クラスどうだろうなー?あーさみい。」
「もーお兄ちゃんいっぺんにいろんな事言い過ぎ!でもやっとお兄ちゃんの側にまたいれるなー!クラスはわからないけど、まぁうまくやるよ!寒いならひなの事抱っこする?あったかくなるよきっと?」
「んな重労働朝からするか…したくないわけじゃないが…」
そんなやりとりを二人はしながら学校を目指す。
「人おおっ…まぁしゃあない。ひなここにいろ。俺が見てくるから。」
「ありがとーお兄ちゃん!それにしてもお兄ちゃん有名人なんだね?いい意味でも悪い意味でも。」
「この見た目だし、俺の事知らんやつはいつもそんなもんさ。ましてや美少女まで連れてるとなれば尚更な。」
「きゃはっ!うれしー!でも見た目は確かにそうかもしれないけど、なんかウザっ。」
少し苛立っているひなを落ち着かせ俺はクラス発表の紙を見に行く。ひなは喜怒哀楽が結構激しいから心配ではあるが俺と違い上手くやれるだろう。
京介はため息を吐き人混みをかき分けて行く。




