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THE TEAM!(番外編)〜TEAM収入源の謎〜

作者: 緒俐

 片岡翔はその日、ふと疑問に思ったことを快に尋ねた。


「なぁ、TEAMって一体どうやって収入を得てるんだ?」

「任務だろ? まあ、それ以外であの馬鹿親父が裏で何かしてる可能性もあるだろうが」


 快は「バスターのススメ」を読みながら答えた。基本戦闘から高等魔法までが丁寧に記された分厚い本。翔は見ているだけでも吐き気がするが快にとっては楽勝である。


「お前な、これだけのでかい家で社員や俺達を養ってる社長がどんな手段でここまでの財力を築いたか興味ないのか?」

「ないことはないさ」


 快は一旦読書をやめる。


「俺だって経営は興味あるし、やがてはここを継ぐつもりだし。ただな、あのバカ親父がちゃんと仕事をしてるとは思えないんだよ。事実、副社長が出張に行って帰ってこないことがざらだろ?」


 言われてみればその通りだ。義臣が動いたことは収入とあまり関係ない時のみ。掃除屋業なので多少、国からの援助と依頼もあるにはあるがそれだけでTEAMを養えるとは思えない。


「多分、ここの財力は副社長が頑張って収入がありそうな任務を取りに行ってるんだ。それ以外考えられないし考えたくない」


 快は真剣に答えた。だがその答えを社員達、特に幹部級は知っているのだ。


「快ちゃん、翔ちゃん、答えを教えてあげましょうか?」

「智子さん」


 義臣の優秀な秘書、智子はやって来た。間違いなく彼女のサポートもこのTEAMを支える要因なんだろう。


「知りたい! どうしてなんですか?」


 翔は目を輝かせて尋ねる。快も智子の話だからこそ興味を示した。


「まず、基本的なのは任務ね。快ちゃん達がやってる表向きな任務以外にも仕事はあるわ。まっ、その内容までは話せないけど」


 話せないほどの任務ならかなりの高額と読める。


「そして先代からの莫大な遺産。快ちゃんが読んでる本も先代が記したものよ」


 快は驚いた。確かに「バスターのススメ」はかなり普及されている。科学、医学、物理方面まで出回っているのだから……


「そして、何よりTEAMの収入の半分を占めてるのは社長の運の良さ! うちの社員達が賭け事好きなのは知ってるでしょ?」

「ああ。だけどよ、いくら主催者が馬鹿親父でもそこまで儲からないだろう?」


 快の言うとおりである。先代の遺産の方がよっぽど収入がありそうだ。


「まあね、いつも食堂でやる賭じゃ無理ね。だけど、世の中すべての賭に勝つ男はきっと社長だけよ」


 ニッコリ微笑んで智子は去っていった。翔は何となく掴みかねる答えに首を傾げるが、快はぞっとしていた。


「快、やっぱり俺にはよくわからねぇな」

「ああ、分からない方がいい。あの親父のことだ、いろんな手段を使って稼いでるに違いない。間違いなく犯罪の一つや二つはやってるぜ」


 そう言われて翔も気付くのである。バスターとして最強の名を手にする義臣のこと。誰にも気付かれずに賭に勝つ方法など心得ているに違いない……



 そして、その実態は……


「智子、あまり快に心配させるようなこというなよ。ただ、瞬間移動でラスベガスまで行ってる稼いでるだけなんだしよ」

「その時点で犯罪です! 例えバスターでも普通は飛行機で行くものですよ!」

「別に不法入国でもないぜ? ちゃんとパスポートとビザも持って行ってるしな」

「この前はルーレットを操ったと夢乃さんから聞きましたけど?」


 そう言われてギクリという表情を浮かべるあたり、まだ罪の意識はあるらしい。


「まぁ、社長のことですから元からどこに球が入るかなんて計算出来てるのでしょうけど、自分の思い通りにならないからという理由で自分の力をフルに活用しないで下さい。夢乃さんからおしおきがありますよ!」


 ドンッと書類の束を義臣の前に置く。


「社長がこれをすべて片付けるまでどこにも行かないようにと夢乃さんから言われてます。それとこれもよろしくとのことです」

「いいっ!?」


 目の前に置かれたのは多額の請求書。それは自分が不正を行って稼いだ金額そのものだ。


「今回は影達が強力な包囲網を張ってますから逃げられませんよ!」


 すべて自分の動きが読まれている。さすがの逃走常習犯も諦めるしかなかったのである……



 そしてこの話にはさらに隠された秘密がある。


「さて、義臣もさすがに懲りたかな」

「いやでも懲りてますよ、夢乃様」


 今宵のラスベガスで荒稼ぎしている真のTEAM収入源の女神は月に一度のバカンスを楽しんでいた。もちろん義臣のもとに届いた請求書はこの日のものである……



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