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8話 ステータスと転生人

8話 寮にて


俺とカナは宮殿を出た後学院の寮に入った。

「じゃあカナ。俺はここで…」

ここは男子寮と女子寮で分かれていて、プライベートはきちんと守られている規則正しい場所だ。前世風に言えば不純異性交遊を守るためだと思う。0時以降はお互い寮の移動はできない。

「うん。また食事のときに…ね?」

「ああ、またな。」

それぞれの寮に行った。


男子寮の入り口に入るとたくさんの生徒が受付にいた。そして俺が入るとさまざまな視線が刺さった。

「おい、アレが主席の…」

「名前はたしか…」

などとひそひそと話していた。ああ、うっとうしい。

イライラがたまる中、俺はすぐに受付に向かった。

「カズト・シュトライドです。部屋の番号を教えてください。」

「かしこまりました…カズト君は…112号室ですね。」

さて、部屋の番号も聞いたところだし、早速飯の時間までのんびりするか…

『ガチャ』

部屋に入るとなんだか懐かしい雰囲気を感じた。

7畳間で床はフローリング、テーブルやタンスも大きい。前世に住んでいた部屋に似ている。ならば家具の設置も前世のようにするか。


部屋を模様替えが終わって俺はベットに飛び込む。そして天井を見上げる。

…目的は見つけた。そして終わった…今度はカナを守ることに専念すればいい。でもそれだけでいいのか?俺の力はまだまだ伸びるはずだ。この学院に入った理由はカナを探すのが一番の目的で、それを達成、ミッションコンプリートだ。ならばカナを守るために俺はこの学院でもっと上を目指す、勇者とか、英雄とか、そんなもので夢物語ではなく、カナ一人のために俺は強くなるんだ。

「っつってもなー・・・一番の問題は金なんだよなぁ…父さんには学院に入るために必要な入学金や授業料、その他の教材のみだしなぁ…ああ~どうしよ…」

『カッカッ』

突然ドアをノックする音が聞こえる。

「どうぞ」

別に警戒することもないからぶっきらぼうに答える

「よ、カズト」

「ライド…」

部屋に入ってきたのは入学式、宮殿の王の謁見のときに仲良くなった男だ。

「どうしたんだ?」

「いや…ちょっと気になることがあってさ。」

ライドは真剣な顔で俺の前に座る。

「カズトはさ…日本って国知ってるか・・・?」



日本



15年間聞いてこなかった単語。懐かしい。でもなぜライドが日本のことを?

「ああ、知っている。お前はなぜそのことを?」

「俺は日本から来たんだ。」

理解した。こいつは転生者だ。

「もうひとつ。なぜ俺にそれを話した?」

「それは…」

ライズはなにやら目の前で指を動かしている。

「何をしているんだ?」

「何ってステータスだよ。知らないのか?」

「いや、しらん。そんなのゲームぐらいでしか知らん」

すると突然ライドの動かしていた場所からデジタルっぽい一枚の板のようなものがでてきた。

「これがステータスだ。日本語で大丈夫か?」

「ああ、」

俺はステータスを見る

体力 42000

魔力 3600

攻撃 4600

防御 3200

素早 2000


まさにゲームに良くあるステータスという奴だ。しかしならなぜ俺にはないのか不思議でならなかった、

「ライド。俺の前世の本名は上条和人っていうんだ。お前の本名を教えてくれないか。」

ライドは俺の顔を見て驚いていた。たぶんステータスについていろいろと質問されると思っていたのだろう。だがここは大人の対応でいかしてもらう。

「…俺は新城ヒカル。歳は17歳だった。」

いや別に年齢は言わなくても良かったのに…。しかし新城ヒカルか、聞いたこともないから別の学校の一般学生だったんだな、俺みたいに

「そうか、なあヒカル。お前をこの世界に送った神はだれなんだ?」

おそらく俺にはないステータスというのを持っているのだから同じ神ではないのは

明白だ。なら名前だけでも聞けるはずだ。

「んー…俺は交通事故で死んでさ、気がついたらこの世界に8歳くらいの姿で草原に転がってたんだ。だからなんも分からないんだ」

「なんだって!じゃ、じゃあ送ってきたのが誰かもわからないのか!?」

「お、おい落ち着けって、確かに誰も見てないし、声も聞こえない、ただ分かるのは俺が交通事故で死んでこの世界に来てステータスというものだけを知っていた。それだけのことさ、んで俺はこの体の主と入れ替わって今の家にいるのさ」

「そうだったのか…悪かったなへんなこと聞いて」

俺はライズに深々と頭を下げた。

「いいって、俺もお前も新しくこの世界で生きることになったんだ、ゲームみたいにいつか英雄になってやろうぜ!」

「!…ああ!」

俺とライドは硬く手を握り合った。

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