10話 学院のトップ
俺達はギル生徒会長に言われたとおり、グループに分かれて席へ座った。するとその席へ食事が運ばれてくる。
「うおー!!!うまそうだな!これ食ってもいいのか!?」
俺は興奮した状態で話す。それを制すかのようにライドが
「それよりもまずは自己紹介だろ!」
そうだったそうだった。まだ俺はカナとライドしか知らない。そしてカナにはライドのことを教えてはいない。
「それじゃあおれから自己紹介させてもらうよ。俺はサモン・キース。貴族の息子だけどそれはこの学院では関係ない。だから普通に話してほしい。特技は槍。魔法は水を操る。学院第5位だ。将来はギルドの長を目指している。」
サモンはキース家という貴族の息子か。だけどこの話からして身分の上下が嫌いみたいだな。
髪は紫、身長は170前後といったところか、顔は中の上かな…。カナが惚れなければいいや
サモンが座るとサシャという女の子が立つ。
「じゃあ次は私から…。私はサシャ・ソーラスです。両親は商人で武器や防具、薬草などいろいろな商品を扱っています。特技は弓、魔法はサモン君と一緒で水を使います。学院第6位です。将来は王宮の魔法部隊に入ることです…。」
サシャは体が細く、小柄な体格だ。髪は青のショートカットでどこかのお嬢様のようだ。商人てことならそろそろ装備も整えておかないとな…。
「次は私だな。私の名はエルザ・ティクウス。王国騎士長マード・ティクウスの娘だ。誇りを持ってこの学院を卒業したいと思う。武器は剣、魔法は風。風はどんな硬い鎧も切れる属性を持っている。学院第3位だ。将来は父に次いで国家騎士長を目指している。」
エルザは無駄な筋肉のないまさにジャンヌダルクのようだ。赤髪のポニーテールの身長は165くらいの少し高いくらいだな。国家騎士か…将来そこで勤めるのもありだな、カナの直結の護衛として…。
「じゃあ俺だな!俺はライド・マークベル!村からでた田舎者だ!武器は何でも!魔法は全属性!学院第2位だ!将来はまだ考えてない!」
お前チートじゃねえか!流石ステータスというスキルをお持ちの奴だ。こいつは俺の上を見て進むのか下の俺を見据えるのか、正直最強の道は楽だと思ってたけどなんとも険しく心苦しいものなのか。でも俺は前を見て最強を目指すしかないんだ。
「そ、それでは次は私ですね!わ、わたしはカカカナ・レイクロウズです!えっと…王の娘です!と、特技は杖!魔法は全部使えますが回復魔法に特化しています!ここでは一人の生徒、一人の女の子ですので友達感覚で仲良くしてください!学院第4位で将来は愛している方と幸せに暮らすことです!」
カナは頭を下に勢いよく下げる。かわいいなぁ俺のカナは…っと、次は俺だな。
「えっと…俺はカズト・シュトライド。シュトライド家の長男だ。師匠はルイジェル・ロールハート、アーランド・ロールハート。いつかは師匠たちを越えて世界最強を目指している。特技は…まだない。魔法は闇。学院主席だ。」
『よろしく』
俺達は自己紹介を終え、食事を楽しんだ。そして宴は夜遅くまで続いた。
「ったく、ライドやつ俺の苦手な内臓を食わせようとしやがって…」
宴も終わり、俺は一人寮の共同休憩室にいた。もう深夜の2時を回っている。学院生もみんな寝ただろう。俺も部屋に戻ればいいって?それが俺の部屋でライズが寝やがってよ、おかげでこうして休憩室にいるわけだ。
「カズト君。」
突然声が聞こえて後ろを振り返る。するとそこにはカナがいた。
「やあ、カナ。今日は楽しかったな。」
カナは俺の隣に座る。
「うん、久しぶりに心から笑える食事をしたよ。いつも硬いところでの食事だったから。」
「そっか、よかったよ。それに今なら落ち着いて話せるな。」
「うん。私最初君が来たときまためんどくさい人が来たのかと思ったよ。」
「へぇー…じゃあめんどくさいって思えなくなるようにまたしてやろうか?」
「そ、それはまだ…ね?」
そうやって俺達は話していると突然大きな物音が鳴った。
『ズドオォォォン…』
「何打今の音は!?」
「わからない…でも一回避難よ!」
俺とカナは合宿の庭に出た。すると目の前にいたのは
「ド、ドラゴン!?」