侍は滅びない。5
「うぉおおおおおおおお!!。」
チュイーン!チュイーン!と音をたてて、地面に火花が散る!。
暗闇の山道を、近松由太郎と司馬が、全力疾走でそれから逃げる!。
「そこの岩!。」
司馬が叫ぶ!。
転がるように岩影に隠れる。
「ダメだ!。すぐ追い付かれて射たれるだけ!。」
近松由太郎が、司馬の手を引いて草むらの茂みに飛び込み、深い森の中へ入っていく!。
さっきまで隠れてた岩に、火花が散る!。
周りの木に、それが撃ってくる弾丸が突き刺さる!。
「おい!。」
いきなり司馬が近松を引き留める!。
森を抜けて、目の前に川が立ちふさがる!。それも結構な大きさで、激流だ!。
「どうすんだ!?。」
司馬が叫ぶ!。
二人の間に、キュイーン!と弾丸が飛ぶ!。
「行く!。」
「!?。」
近松由太郎は目の前の川を見つめ、司馬の手を引き、一緒に倒れ混むように川に入った。
すぐ後そこに、それが現れる。
黒い戦闘服、黒い小銃、黒いヘルメット、黒い暗視ゴーグル、黒い迷彩。
水面を見るなり、数弾連写する。
パパパン!と、弾丸が水面に打ち込まれる。
「・・・。」
じっと水面を見つめる。
そしてそれは振り返り、また森の中に帰っていった。




