侍は滅びない。3
面白いと言われた、近松由太郎は決して優れたやつではない。
体力検定は中の上。運動が苦手で、訓練では落ちこぼれている。
「近松!ソフトボール投げ!いきます!。」
「よしこぉい!。」
近松がおもいっきり振りかぶる。
「とっりぁああああああああああああああああああああああぃ!!。」
全力でボールを投げた近松の視線が、遠くの方を見つめる。
ボール拾いが走って、近松の方によってくる。
「よいしょ。」
近松のすぐ近くに落ちたボールを拾うと、教官に向かって叫んだ。
「記録15メートル!!。気持ち70メートル!!。」
「不合格!!。」
「・・・くっそぉ!!。」
近松が膝を付いて落ち込む。
しかし、こんな彼だが確かに凄いこともある。
「てぇいやぁあ!!。」
近松がニットに回し蹴りを繰り出す。
「っどわぁあ!!。」
ニットごと、相手が吹き飛ぶ。
「っしゃあ!。」
浮いた相手のニットにすかさず正拳突き。
ドスン!という音がなり、刹那、床にニットを持った相手が、バタンッ!落下した。
教官は、最初、夢でも見てるのかと思ったらしい。
近松由太郎、特技は格闘技。凛々しい目と眉がチャームポイントらしい。




