侍は滅びない。2
それは大きく報じられた。
結果、日本に向かってきたそれは未確認飛行物体のまま、海の藻屑となり、更には、その破片なども確認されておらず、様々な噂が流れたのだが、結局のところは分からない。
それから、数年後の日本である。
国民の間では、この未確認物体は、他国からのミサイルではないかという噂が一番有力であった。
結果、日本の戦力で他国に対抗できるか、国民が不安に思う風潮があり、それに対し総理大臣は、もともと問題視されてた日本の軍事力を強化する事にしたのである。
そして、関東。とある田舎の駐屯地。
「おい、しっかりと伏せろぉ!!。貴様ら、ここが戦場だと死ぬぞぉ!!。」
「はぁい!!。」
教育隊が匍匐前進を演練している。
長袖の明細服を捲った教官が、仁王立ちで怒鳴りに怒鳴る。
教官は少し遅れている隊員を見つけた。
「おい貴様。遅いぞ死にたいのか?。」
「いいえ!。」
慌てて列に戻っていく。
グランドの片隅の木陰から、人影が現れた。
教官はそれに気づくと、サッと敬礼した。すると、人影も落ち着いた敬礼を返した。
「調子はどうだ?。」
人影は言った。人影は、教育隊長だ。教育隊の最上位の監督である。
「ぼちぼちですね。しかし、まだ1ヶ月半。できはいい方です。」
「そうか。」
教育隊長は、少し遅れて匍匐前進していた、教育隊員をみた。
教官もその視線に気づいた。
「あいつが気になりますか?。」
教官が、少し笑いながら言う。
「あぁ・・・、気になるってほどじゃないが・・・。」
「あいつは面白いです。」
「・・・面白い?。」
「はい。あいつ、結構すごいんですよ。」




