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第7章-第69話 ようしょく

お読み頂きましてありがとうございます。

「とりあえず、スーパーのうなぎレベルまでは到達しました。」


「ほう、でかした。ところで、槌屋として出荷できないレベルのカバヤキはどれくらいになった?」


「そうですね。食べられるレベルのものが約2000本、スーパーのうなぎレベルが約800本ですが、明日には1000本に到達します。それ以下のものは廃棄しました。また、槌屋さんが失敗作で出荷したくないと言っているものが約20本ほど、すべてクララ様に預けてあります。」


「そうか、教会の牛丼のスキスキで、販売したうな丼の反応はどうだった?」


「はい、試しに私が焼いたカバヤキで作ったうな丼を限定10、カバヤキ単品を限定20で販売しましたが、牛丼に慣れた住民にも不評だったのですが、おそらく陛下が宣伝してくださったのか、王宮の職員の方が全て買っていかれました。」


「やっぱり、食文化として定着するのは難しいかもしれないな。しかし、少しずつで構わないから、週に1回程度、限定販売していてくれ。」


「はい、わかりました。それからレベル3の料理人なんですが、先日レベル4に上がったようです。」


「わかった。ヤン団長、明日の朝、魔獣狩りに同行して頂けるだろうか。」


「ああ、かまわない。あまり危険なところは、護衛としては反対だ。わかっているとは思うが・・・。」


「そうですね。でも、獲物から500メートル以上離れた場所から射掛けるので、危険は少ないと思います。」


「うむ。それならば、例え襲ってこようが十分体制は整えられる。大丈夫だろう。」


「モモエさん。明日の朝、魔獣狩りに向かうので、午前9時にはその料理人に用意をさせておいて・・・。」


「はい、わかりました。」


・・・・・・・


 後宮に戻って来たところをセイヤに捕まった。


「なんでしょうか?陛下。」


「うむ。宝物庫なんだが、管理責任者をマイヤーから、ヤンに移したいのだ。トムは、マイヤーからやり方は聞いておるかの。」


「ええ、出来ますが、宝物庫で管理している量からすると1日では無理でしょう。」


「ああ勿論だの。まずは持ち出す可能性の高い、武器、防具等からはじめよう。明日は空いておるかの?」


「ええ、午後からならば。」


「じゃあ、お願いするのう。ヤン、今日はご苦労だった。明日も頼むぞ。」


「はっ。」


・・・・・・・


「トム、マイヤーはどうだったかのう?」


「はい、私が伺ったときには顔色が戻っておりました。2ヶ月もすれば、安定期に入るそうです。」


「安定期とはなんだ?安定期に入ると何が違うのだ?」


「はい、・・・・・・・・・・・・・。」


 俺は一瞬、セイヤにエルフの里で話したことをそのまま伝えようとして、ギリギリ踏みとどまった。誰も、そんな話を聞きたいわけでは無いだろう。


「おそらく、流産しにくくなるのではないでしょうか。俺も前の妻が出産の際に聞いただけでして、この世界のましてエルフの安定期がどういうものかは、存じませんので・・・。」


「そうだの。わかった、すまんかった。」


「あと、むこうでパリスなるエルフにお会い致しました。」


「ほう、アルメリアのやり手ババアに会ったか。ほう、どうだった。」


 婆には見えなかったが、エルフの年齢はわからない。マイヤーよりは年上で、子供や孫がたくさんいるというのだから、高齢なのは間違いないのだが、ババアかと言われると・・・。


「ええ若干ですが、アルメリアの内情もお聞きしております。最悪、チバラギまで攻め入ってくる可能性も否定できないそうです。それから、アルメリア側は勇者が3名存在していることまで話して頂けました。」


「ほう、やはり戦の準備は必要そうだな。」


「そうですね。」


 勇者の命という話があったが、実際に戦争が始まってからのほうがよさそうだな。今話すと混乱させそうだ。


・・・・・・・


「パパ、マイヤー元気だった。」


「ああ、大丈夫そうだ。安定期になったら遊びに行こうな。でも、いい子にしていてくれよ。」


「うん。大丈夫だよ、アキエいい子だもん。」


 マイヤーが妊娠したから、すぐにエトランジュ様とというわけではなさそうだ。だがしかし、近日中にはエトランジュ様とすることになるのだろうな。


 翌朝、ヤン団長を連れ、うなぎ工場を訪ねると、人間に擬態していない狼が1頭待ち構えていた。俺はいつもの通り、冒険者ギルドに寄り、魔獣の出没しているポイントを聞き出して、その場所に向かった。


 俺は、そのポイントに到着すると、狼に尋ねた。


「魔獣が潜んでいる箇所はわかるか?」


 俺が、自分と意思疎通ができることが不思議そうだったが、モモエさん達と同じだと言うと納得して、探索を始めたようだ。やはり、思ったとおり人狼は種族として探索能力を持っているようだ。


 狼が探索した場所に対して、指輪の『目』を使い位置を特定、念のためヤンに報告後、ライフルで即死させない程度に何発かの銃弾を打ち込み、最後の一撃は狼に任すということを繰り返した。


 案の定、料理人の職業持ちはレベルアップの必要経験値が少ないのか、22頭目の魔獣を殺した時点でMAXレベルまで到達した。試しに山に落ちていた栗を彼に持ってもらい。栗ご飯の作り方を尋ねると、スラスラと手順を言い出したので、今日の狩りは終了となった。


 帰りにまた冒険者ギルドに寄り、人間に擬態した狼が冒険者ギルドへの登録を済ませ、報酬を俺5:狼4:ヤン1で分けた。


「えー、俺の取り分少なくない?」


「わかった。後で、陛下に報告して決めよう。」


 そのまま、狼の料理人をうなぎ工場へ帰し、後宮に戻った。


・・・・・・・


「ヤン団長、お主の任務を言ってみろ。」


 後宮に戻ったあとにヤン団長がセイヤに今日の成果を報告した。


「はっ、トム殿の護衛であります。」


「今回の狩りは、それを逸脱しているか?」


「いえ、俺は傍でトム殿を守っていただけです。」


「なら、報酬は無しだな。」


「そんなぁ。」


 結局、俺が6割を貰い、ヤンは任務内ということで無しということになった。


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