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第7章-第60話 嫁は炎のXX?

お読み頂きましてありがとうございます。


 夕食は、すっぽんのフルコースだった。生き血、胆汁、刺身、唐揚げ、出汁巻き、鍋、焼きもの、雑炊。途中、生き血、胆汁までは、お酒で割ったためアキエは無し、生き血、胆汁、刺身は、毒見役が止めてセイヤが無しになった。


「俺の生き血が・・・・。刺身が・・・。」


 なにか、セイヤが叫んでいたが無視しておく。


 皆、初めてのグロテスクな料理に、始めは固辞していたが、モモエさんの一言と俺の言葉で、ガツガツと雑炊まで完食した。


「あらあら皆さん、いらないんですか。じゃあ、私が頂きますね。明日はお肌ぷりぷりだわ、きっと。」


「そうでしたね。これはコラーゲンという成分がたっぷりで、とっても美容にいいんですよ。じゃあ俺もたくさん戴こうかな。」


「「「「「えっ、美容。」」」」」


 マイヤーやエトランジュ様は、ともかくセイヤや毒見役の侍女達までが声を揃え、目の色を変えて食べ出したのだ。


・・・・・・・


 翌朝、誰も居ない高原でアキエの要望でマイヤーが、ヨウツブにアップされている動画のワンシーンを再現することになった。歌を歌いながら、火魔法で遊び、山に魔法で炎の塔を作り上げるシーンだ。ドシロウトがCGで作った作品らしいのだが、アテている人の歌声が絶妙で評判になっているのだ。


 先週、避暑に行くことが決り、ヨウツブで最近アキエがハマっていて、よく見るこの動画のシーンをアキエがマイヤーに可愛くおねだりしたのだ。そのあと、俺とマイヤーで一生懸命に練習した。


 火魔法で遊ぶシーンは、マイヤーが俺の意見を参考に作りだしていったが、その後のシーンではそうはいかない。


 橋がかかるシーンでは、あらかじめ、空間魔法で取り込んだパーツを組み上げようとしたが、いくら急いでも、1分間に1メートル分しか組みあがらないので、大きな2つのパーツを2回に分けて取り出して、組み上げることにした。もちろん、分からないようにマイヤーが派手な火魔法で目眩ましする。


 1つ目のパーツを置くと同時に、橋の一部にあわせて炎が燃え上がるように演出し、炎の橋が次々と出来上がりながらも、マイヤーが駆け出すのにあわせて、2つ目のパーツを1つ目のパーツに組み上げる。


 塔が出来上がっていくシーンは、50センチずつに分割したパーツ、並べあげていくだけだ。もちろん、マイヤーが火魔法で周囲を演出するのも忘れない。


 流石にオリジナルの動画と違い、塔の内部は、見えないので、塔が出来上がっていくにあわせて、アキエとエトランジュ様で歌い継ぐ。そして、ラストシーンの塔のベランダに出てきたマイヤーが歌う。


「○△、■▲▼□、■▽△▼●□。」


 まあ、聞こえるはずもないけど・・・。そして、扉が、パタンと閉まる。


・・・・・・・


 ビデオ係りはモモエさんにお願いした。けっこう、良く撮れているみたいだ。ラストシーンも、マイヤーがアップで写り、モモエさんがセリフをアテレコしてくれていた。あとで、ヨウツブに上げとこう。


「それで、セイヤこの塔、どうしようか?」


 火魔法が消えうせ、岩で出来ていることが分かるようになった塔が聳え立つ。事前に土台となる場所も整備して、交互に組み上げてあるので、簡単には倒れないはずだ。


「せっかく作ったんだから、持って帰って後宮の裏庭に建てて置いておけばいいんじゃないかのう。整備して使えるようなら、迎賓館にでも使おうかのう。」


 まあ、危なくないように山肌を下まで掘り進めた上で、余分に組み上げた岩を配置してから、設置すれば、地震にも耐えられるだろう。


・・・・・・・


 昼食はあっさり?と、うなぎ茶漬けとなった。モモエさんが言うには、日本の先代の君主も好んで食べたそうだ。


 昼食後のお昼寝は無かったのでアキエをつれて、やなに行く。やなは、初めて連れて行く場所だ。もう、大騒ぎでずぶ濡れになっている、アキエと遊んでいたら。串に刺した川魚の塩焼きをモモエさんが作ってくれた。赤腹という魚で、文字通り赤い線の模様が特徴の魚だ。


 夕方には後宮に戻ってきた。アキエは遊び疲れたのか。夕食も食べずに寝てしまった。俺は夕食までに、後宮の裏庭に先程の塔を作り上げ腐らない袋に詰め込んだうなぎ工場のできたてのカバヤキを持って、日本に送還して貰った。


「マイヤー、大丈夫だったか?」


「何がです?」


「あの塔のベランダから、出てくるシーンでは、炎を身に纏っていただろ。」


 きっと、マイヤーは塔の中でも、オリジナル通りに演じていたのだろう。


「ええ、王宮の宝物庫にあった、最高級の火耐性の指輪を2つも付けていたんですよ。ほら!」


 マイヤーの右手と左手の中指には、渋い柄の指輪が嵌められていた。


「えっ持ってきても、大丈夫なのか。もう、日本だぞ!」


「あーーーー、また、罰金だ。あーあ。」


・・・・・・・


 今、会社からの帰り道、有名な宝飾店に寄っている。実は、あのあと、マイヤーが同じ指輪を左右に付けるのは、変だと言い出して、二人で右手の薬指につけ直した。魔道具だからか、すぐにぴったりだ。


 そして、マイヤーが地味な指輪に重ね付けできる。指輪が欲しいと言い出して、ここに来ているのである。


 前にネックレスを贈ったときも、そうだったがマイヤーの白い肌にあわせたピンクゴールドのシンプルな指輪を贈った。


 昨日もそうだったが、今日も一段と激しい夜を送ることになった。俺もすっぽんとうなぎで元気だから、バッチコイ状態なのである。


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