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第3章-第24話 首相銃撃

お読み頂きましてありがとうございます。


例によって時事を扱ったものとなりました。

クーデターは元々構想にあり、他の作品で既に過去にあったこととして語られていますが構想を変更し、本編では首相は亡くなりません。

当日の夜中に非常に悲しくなって涙したので敢えて構想を変更し、見切り発車で連載の続行となりました。

改めて怒りが執筆の原動力になっていることを自覚しました。よろしくお願いします。

「大変です! 鷹山首相が銃撃されました。」


「どういうことだ渚佑子。」


 渚佑子が座敷まで駆け込んできた。異常事態らしい。


「クーデターです。元陸上自衛隊幹部が指揮し、元陸上自衛隊員および元海上自衛隊員約100名が参加している模様です。天皇陛下と共に首相以下数名の閣僚が人質にされています。また、国会議事堂も占拠されております。」


 政治家を辞めてからも多くの元従業員の参加する俺の派閥は独立しており、今回の組閣人事でも首相が俺のところへ了解を取りにきていた。どうやら任命式典を狙われたようだ。


「三田村の坊ちゃんと小村は大丈夫なのか? それに派閥の議員たちは?」


 非情だが俺の友人とされている鷹山首相よりも元従業員のほうが大事だ。旦那が亡くなれば由吏姉も傷つく。優先順位が違いすぎる。


 由吏姉の旦那が派閥の長を担っており、厚生労働大臣。元部下の一人が防衛大臣を拝命していたはずだ。由吏姉も何度か候補に挙がっているが俺同様、陰で暗躍するのが得意らしく決して表舞台には立っていないため、難を逃れた格好だ。


「はい。首相に庇って頂いたようで無事逃げ延びており、先に皇居を占拠した情報から派閥の議員たちに働きかけ、密かにこちらに向かっているところです。三田村由吏様は対策本部をこの建物のオフィス棟の会議室に設置したいと仰られております。」


「良い判断だ。しかし、鷹山に借りを作ったな。彼の怪我は酷いのか?」


「宮内庁病院に潜入している人間によると予断を許さないようです。救命救出されますか?」


 公安調査庁の調査員および協力者は密かに渚佑子の傘下にいるそうだ。そのほかにも各国の秘密警察を通じて情報が入手できるらしい。スパイ活動に関しては合法非合法を問わず、渚佑子に集約させているが英国情報部の1割も活動できていないと嘆いていたからクーデターの実行日も掴めなかったようだ。


「そうだな。今の段階で救出は拙い。ギリギリの線で救命に動いてくれ。警備部長は動いているのか?」


 無条件で渚佑子が動けるほど彼の優先順位は高く設定されていない。彼が亡くなっても政界にコネクションは出来上がっており問題無いが安田警備部長の実子なので彼が悲しむことは避けたいところだ。


「いいえ。対策本部の設置の陣頭指揮をとっておられます。」


「そうか。救命後知らせておいてくれ。」


「了解しました。すぐに向かいます。」


 そう言い残すと渚佑子が去っていった。


「何か協力できることはありますか?」


 大葉くんが表情を引き締める。彼らに知られたことはすぐにメディアで流れることで問題は無い。


「大葉くん。『渋沢グループ』を矢面に立てられないだろう? それに今は拙いな。君たち『勇者』の存在を知られることも避けたい。有事の際の切り札だからな。最悪、俺自身の手で決着つけるよ。」


 今、皇居と国会議事堂に居る人間は俺と一切関わりの無い人々だ。たとえ脅迫された上だとしても俺の前に立ち塞がるならば敵だ。全て殲滅するだけのことである。


「今は有事では無いと?」


 話は終わったと思ったが、さらにツッコミが入る。何やら思うところがあるらしい。やや反応の違いに戸惑うが彼が並行世界の人間であることを鑑みるとこの世界の日本とは違う可能性も考えられる。


「ああ、若干時期が早かったが想定内だ。日本州の設立手順は公開しているから天皇制の廃止に対して、ある種のグループから脅迫めいた警告文は何度も受け取っている。まあ旧日本陸軍に繋がるグループは完全に地下組織化されていたらしく、ここまで数を揃えられているとは思わなかったがな。」


 それに現役組にも必ず繋がっているはずだ。実際に陸上自衛隊は静観しており、動き出す気配は無いらしい。防衛大臣が指揮しようとしても動かない可能性さえある。副総理も法務大臣も敵の手の内だ。警察組織も遠まわしに包囲しているだけである。中間層が繋がっており現場が動かないのであればどうしようもない。


「そうですか。」


 大葉くんはやや納得していないみたいだ。


「それよりも渚佑子からスキルの使い方を習ってくれ。君もスキルを使いこなしたいだろう?」


 彼のスキルは使い方によっては厄介過ぎる。小規模な使い方を教え込むことで広範囲に被害を及ぼすことが無いようにする意図もある。


「もちろんです。よろしくお願いしますっ。」






黒ネクタイに手作りの喪章を付けて投票に行ってきました。

私は好き嫌いではなく、党の政策で投票することを信条としています。

もちろん暴力で投票活動を変えることもありません。


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