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第11章-第112話 わすれたいこと

お読み頂きましてありがとうございます。

「これから、どうなさいます?」


 ようやく6階にたどり着いた。


 6階に登ったが当然ながら、このエリアには別のチームは居ない。別のメモリ空間上に6階エリアのオブジェクトが生成され、その場所に居るはずなのだ。


「上位オブジェクトで検索したところ、34時間前に生成されたオブジェクトが残っている。そのエリアに間違い無いだろう。」


 6階エリアのオブジェクトは俺が居るメモリ空間の他、もう1ヶ所のメモリ空間に存在した。この辺りはオブジェクト指向言語で作成されているため、6階エリアのオブジェクトというユニークな看板が掲げられているため、簡単に見つけられる。


 ただ、6階エリアのオブジェクトというユニークな看板はそのエリアに立たないと、全てのプログラムソースを追わなくては判明しないので、わざわざこの階に来たのである。


 しかし、攻略が失敗するとその階の初めに死に戻りするので、セーブデータとして残っていそうなんだがイマイチ理解できない。何か隠し事されている気がする。


 今はその少女を救い出すのが先決だ。


「どうして! そこまで解るんですか。貴方は経営者ですよね。」


「それは・・・それは、ヴァーチャルリアリティー空間での安全性は完璧にしたいからな。全ての責任は俺にある。」


 1つの空間を利用するだけならば、オブジェクト指向などという面倒なことはせず、お金を掛けてプログラムを製造するほうが安全性は高められるが、使い方は使う人間次第という制約が無く無限の可能性が広がるであろうヴァーチャルリアリティー空間では基礎オブジェクトの安全性高めれば高めるほど、下位オブジェクトの自由度が開放されるのである。


 実は何度も失敗している。俺の肉体は神により制限を外されているが、精神はそうもいかない。その何度かの失敗により、渚佑子の蘇生で死に戻ってきたこともある。


 だが世の中には想定外というものも存在するのは事実だ。幾重にも安全回路が組み込まれたヴァーチャルリアリティー空間にも、今回のような出来事も存在するのだ。


 ひとつひとつ、渚佑子という安全回路を持つ俺が潰していくしか無い。失敗したからとヴァーチャルリアリティー社の従業員を死に追いやるわけにはいかないのだ。


 これだけは本当のことを言えない。99.999%安全なのだと胸を張って言えるが、0.001%の危険が残っているなんて言えるはずが無いのだ。


     ☆


「ありがとう。ここでお別れだ。」


 上位オブジェクトを操作してヴァーチャルリアリティー空間に裂け目を作り出す。これも只のイメージ映像だが上位オブジェクトの権限を持たない人には周囲10メートル以内に近づけない仕様で、運営チームの人々が眩しそうに俺を見ている。


 裂け目の向こう側は無機質なヴァーチャルリアリティー空間が広がっており、上位オブジェクトに繋がっている糸があるだけだ。そこを遡り、上位オブジェクトに辿りつくと根元から二股に分かれているもう1本の糸に持ち替えると辿っていくと別の6階エリアのヴァーチャルリアリティー空間に辿りついた。


 以前、うっかり持ち替えずに手を離してしまい途方にくれたことがある。36時間後の強制ログアウトまで気が狂いそうになりながら、糸を捜していたことは忘れたくても忘れられない思い出だ。


なんとか雨が降っても槍が降っても親が死んでも順調に更新を続けています。

日々凄いストレスのなか戦い続けており、全然余裕なんて無いのです。

いまさら最低限4週分くらいストックが必要になるなんて、・・・気が遠くなりそうです(笑)

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