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第11章-第110話 げーむばらんす

お読み頂きましてありがとうございます。

「はあ面倒くさい。・・・それでも本当に高見の見物することないじゃないですかっ。」


 4階は少し進む度に大きな空間が閉鎖され、モンスターが大量に発生し、全て倒しきらないと先に進めない。いわゆるモンスターハウスというものだった。


 最高のスキルに最高の装備を持つ運営スタッフにとって、モンスター1体1体は楽勝の相手らしいが、なにぶん数が多すぎる。


 同じように最高のスキルに最高の装備を持つが使い方が解らない俺は初めに言われた通り、高見の見物を決め込むことにしたのだ。


「何でこんなところがあるんだ?」


 本当に高見の見物が出来るように壁面の高いところに人ひとりが座れるだけの凹みがあるのだ。


「そこは攻撃力も防御力も弱い空中戦闘能力特化型の退避場所なんです。モンスターハウスに出るモンスターは地上型ばかりですから・・・ああもう、わらわらと・・・。」


 近くの地上で周囲をモンスターに取り囲まれている運営スタッフから答えが返ってきた。全然余裕があるらしい。ただただ数の暴力がうっとおしいだけのようだ。


「へえ。そんなタイプもあるんだ。単騎では攻略し難そうだな。・・・まあ頑張ってくれ。」


 飛行形態を取るらしい。俺はここまで『移動』してきただけだが・・・。


「ヴァーチャルリアリティーベータ版では結構、使ってくれましたがリリース版では誰も使ってないようです。でも次期エピソードで攻略に欠かせない必須タイプになる予定です。ですから、楽して経験値が積めるように退避ゾーンを設定してあるんです。・・・もう本当に面倒。」


「仕方が無い。このスキルを使ってみるか。『微震』・・・。」


 説明書きには自分のHPから好きなだけコストを払い、最大100体の敵にコストの100分の1のダメージを与えると記載してあった。ざっと見渡したかぎり、HP5000にも届かない雑魚モンスターばかりだったので50万のコストを払った。


 一瞬にして半分以上のモンスターたちが爆裂する。更に地上に降り立ち、同じスキルを使ってみると残りのモンスターたちも爆裂した。


「えっ・・・何を使ったんです?」


 近くに居た運営スタッフに胸倉を掴まれて問い質される。


 いや今スキルを唱えたよな。聞いてなかったのか?


「いや『微震』だが・・・。」


「そんな・・・初期エピソードでしか使えないスキルを・・・。なんてことだ。」


 運営スタッフは頭を抱えてしゃがみ込む。今、お前ら面倒だ何だと言っていただろう。解決してやったんだから感謝しろよな。


「何か問題でも?」


「問題どころじゃないですよ。この階は誰でも攻略できる代わりに忍耐力を要求されるんです。」


「そうなのか。流石に1回に50万もコストを掛けれるヤツは居ないだろう。」


 50万と聞いた運営スタッフ訝しげな顔をするが、散々悩んだあげく返ってきた内容は10億ある俺のHPではなかった。


「・・・ギリです。HP特化型にすればギリできなくも無い。しかもHPなら回復手段も容易です。」


 ゲームバランスを崩す出来事らしい。この世界観にもHPポーションもあり、HPを回復させる魔法も存在する。もちろん時間経過により回復もする。


 俺のHPもみるみるうちに全て回復した。1秒間に最大HPの1万分の1程度回復するらしい。


     ☆


「ボスはお任せします。」


「俺が・・・倒すのか? まあいいがボスの場所を教えてくれ。」


 ボスの部屋の扉を開けると入口一面モンスターだった。モンスターボックスの10倍はあるという空間にモンスターたちが折り重なるように犇めき合っている。


 まるで水槽の中だ。これでは『移動』を使う空間が無い。ただひたすら『微震』を使うほか無いようだった。本当ならば最大6人一組のチームがボスに向って一直線に向かえば攻略できるに違い無い。


「わかりません。いえ、赤い個体がボスなんですが他のモンスターと大きさも変わらないんです。地形はドーナツ型ですから時計回りでも反時計回りでもお好きになさってください。」


 なるほど、運が良ければすぐに攻略できそうだ。


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