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第11章-第106話 めがみのせくはら

お読み頂きましてありがとうございます。

「神にしか出来ない奇跡を起こしておいて、それを言うかな。それに顔見知りじゃない。しかも姿が幼い。ということは、成長過程にある新たな女神しか居ないだろう。」


『何よ。その論理的なのか非論理的なのか解らない理論。貴方はもう少し気遣える男性だと思っていたわ。』


 女神は突然、弱気になんて、しゅんとする。


「ああそうか。すまない。君たちは正体を見破られた時点で成長が止まるのだったな。」


『ん、もう! そこまで解っていて。成長してから誘惑しようと思っていたのに台無しじゃない。』


 どうも俺の知り合いのようだ。しかし、女神に転生できるような人物が亡くなったはずが無いのだが理解の範疇を超えている。


「ところで、俺の前に現れたということは何か用事があったのだろう。挨拶だけというわけでもあるまい。」


『そうだったわ。ヴァーチャルリアリティー時空間に囚われてしまった少女が居るの。助けてあげて。』


 どういうことだろう。ヴァーチャルリアリティー時空間には現実時間で4時間、つまり24時間毎に強制的にログアウトを選択させる機能がある。延長もできるが1時間毎に毎回キャンセルしなくてはならなくて最大でも12時間しか延長できない。


 まあログアウトした後、再度ヴァーチャルリアリティー時空間に入り直すのは勝手だから嵌ってしまって延々と続けて入ることはできる。だが身体は正直だからログアウト直後に空腹を訴えたり、疲れを訴えたりするので食事や休憩を挟むのが自然だ。


 余談だが生理現象についてはヴァーチャルリアリティー時空間の身体と直結しているため、漏らすことは無いのだ。


 そんなことを女神に説明しても解らないだろう。すぐに向うことにする。


     ☆


「ここか?」


 俺たちは現在稼動中の旧スーパーコンピューターのVRMMO。つまりゲームの空間の前に立っていた。


 ここなら解る。


 この空間ではヴァーチャルリアリティー時空間のある程度の機能の制御をゲーム製作会社に渡して管理監督させている。ログアウトの制御もそれに当てはまる。まあそれでも36時間後の強制ログアウトは免れないのだが、そこまで事は進んで無いのだろう。


『そうよ。』


「もしかしてミノリさん?」


 後ろを振り向くと鷹ノ巣クリニックの院長を若返られた姿の女性が立っていた。過去の自分の姿をヴァーチャルリアリティー時空間のメモリに投影しているらしい。


『初めから、この姿で会えば良かったわ。こんなこともできましてよ。』


 その姿で近寄ってくると俺の胸の辺りを触ってくる。


「・・・・・・・っ。」


 思わず悲鳴を上げるところだった。


 ヴァーチャルリアリティー時空間では快感神経にも痛覚神経にも繋がっている。通常切り離され、人と人が触れ合うことも出来ないが設定によっては間にスーパーコンピューターの制御が介在する。その分タイムラグがある。


 それが無かった。イヤ、おそらく短かったのだ。相手は新しいスーパーコンピューターの能力も凌駕するスピードで俺の快感神経に繋がるメモリ空間を直接制御してきたのだ。


『もしかして嫌だった?』


 俺が飛び退くとミノリさんは急に不安そうな顔をする。


「確かに大半の男性に取って快感は『良いこと』で綺麗な女性に触られれば『嬉しい』に繋がる。ですが貴女は女神で俺は只の人間だ。俺たちの間にはパワーが存在するのです。いわゆるパワハラ、セクハラに該当します。そのことへの嫌悪感のほうが強いですね。」


 女性上司と男性部下にもパワーが存在し、セクハラが存在する。大半の男性にとって美女の上司が行うセクシャリティー行為は嫌じゃないのでハラスメントに該当しないだけである。


『私のことが嫌いじゃないのね。良かった。』


「ええ貴女の診察に対する姿勢は尊敬していましたが、今の行為で少し崩れ掛けました。2度としないでください。」


 ここはキッパリ拒絶する。


 嫌悪感を上回るスピードで快感に与えられ続ければ、相手の思うままにされてしまうだろう。


 男は快感に感情が引っ張られ、人間は感情が心を引っ張る生き物なのだ。それを嫌だと思う男性は少ないようだが俺は違うと思いたい。


嫌いじゃない人にされるセクシャリティー行為に嫌悪感を持つのに即座に判断できなくて半日要したことがあります。

その人との間に上司と部下や師弟関係などパワーがあるとどうもダメなようです。

好意があることを伝えられ、プライベートな場だったら、流されたかも(笑)

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