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第10章-第101話 らちされたかんこくじん

お読み頂きましてありがとうございます。

「そうだ手筈は整えた。首相が人員を連れて来てくれればいい。」


 自空間から別のスマートフォンを取り出し、首相官邸に繋げている。


 全ての手柄は首相に押し付けることにした。至急、人員を整えて来てくれるそうだ。拉致家族も直接、本人を知っている親の世代は既に亡くなっており、兄弟たちもかなり老けており動けないらしく、主流は兄弟の子供など拉致された人を知らない世代の人々だという。


 大丈夫なのだろうか。


「意外と少ないな。渚佑子。他に無いか?」


 俺はここを離れる直前ICBMを回収するため、ジョンジュに案内して貰っているのだが、アメリカが掴んでいた情報よりも少ないことが解ったのだ。


「・・・。」


「ああ構わない。粛清は俺がやる。」


 『知識』スキルで最高指導者に隠して、開発していたものがあると知ったのだろう。発覚すれば処刑は確実だ。


 渚佑子がジョンジュを気にする様子を見せる。珍しいことだ。


「それならば私が・・・。」


「いやそれでは、ジョンジュが処刑したと疑われる。」


 俺ならば送還魔法で行方不明にすることが出来るが、どうしたものか。


「私なら廃人にすることも出来ます。やらせてください。」


 廃人・・・とか、どんなことをするんだか。全く怖いなんてもんじゃないな。


「ほどほどにな。奇行を繰り返すくらいがベストだ。」


 密かに作られていたICBMを含めて、全て自空間に取り込んだ。敢えて核弾頭は置いておく。通常ミサイルならば日本まで飛んで来ない。中国や韓国相手の抑止力にはなる。当分は安心だ。最低でも1年は今のまま保って貰わなければならないからな。


     ☆


「何を見返りに渡されたのですか?」


 首相が緊急来朝し、拉致問題の解決の決着と日朝国交正常化に向けた合意と調印が成され、首相と共に帰国を果たした。


 帰国後記者会見を開くとこんな質問が飛んで来た。


「『金正主』最高指導者引退後の住むところを斡旋させて貰った。」


 嘘では無い。彼女が何時引退するとも言ってないから問題無いはずだ。


「まさか日本に住むんですか?」


 勘違いするように言ったがストレートに聞き返してくる。


 ありえないという響きだ。彼女自身は日本に対して何もしていないというのにまるで異物が体内に入ってきたような拒否感だ。先祖の責任を子孫に負わせるなんて、隣国くらいだと思っていたが日本も染まってきたのだろうか。


「違うが彼が日本に住んだら拙いのか?」


 まあこの高層マンションの低層階の1室は確保するが基本異世界に住んで貰う予定だ。


「・・・・・・・・・いいえ。ですが、彼が貴方を誘拐したのでは無いのですか?」


 記者の間が全てを物語っている。嫌な感じだ。そこまで隣国に染まらないでほしい。


 いずれにしても女性に戻って貰うつもりだし、アメリカに戸籍を作って貰うつもりだから、問題無いだろう。


「違う。南朝鮮政府が勝手にやったことだ。歓心を買おうとしたんだろう。」


 ステルス機を欲しがったのは本当だそうだが、胡散臭いという情報まで南朝鮮に与え、無茶振りしたのに相手に突撃するとは思わなかったという。


 安請け合いしたらしい。奴らは世界中で一番優秀だと思い込んでいる節があるから日本人が作ったものなど簡単に奪えると思ったのだろう。


 それを成し遂げなかったことで交流を中止すると伝えたところ、俺を誘拐して差し出したらしい。


「じゃあ、ワザワザ呼び出して置いて、脅して北朝鮮に連れていかれたんですか?」


「そうだ。俺は過去、同じことがあったと睨んでいる。日本や韓国など世界中から拉致された人々に彼ら、南朝鮮政府が絡んでいたのでは無いだろうか。」


「えっ・・・まさか。当時韓国の親北朝鮮寄りだった人々が・・・。」


「証拠は俺が拉致されたという事実だけだが、過去韓国に拉致問題で協同歩調を取ろうと何度も日本が働き掛けているんだが、全て一蹴されている。怪しいと思わないか?」


 渚佑子の『知識』スキルに寄れば、この辺りの書類も紛失している。しかも北朝鮮だけで無く南朝鮮でも韓国でもだ。調査しなかったなど考えられない。意図して双方で抹消したのでは無いだろうか。


「それは韓国が大した問題じゃないと認識していたからじゃ。」


「まさか・・・韓国人は日本人の10倍以上も拉致されているんだぞ。日本でもこれだけ問題化しているんだ。そんな拉致された家族たちの声を無視すれば、簡単に当時の韓国政府は転覆される。どうしても無視しなけれないけないことを掴んでいたんだろうな。」


「それでは・・・。」


「そうだ。拉致された人々の居所は北朝鮮だけとは限らないと思う。北朝鮮で拉致された方々が全て見つかってくれればいいんだがな。」


 証拠は無い。真実は別かもしれない。ほぼ俺のデマカセだ。


 北朝鮮で何も見つからないだろう。


 だが家族たちに取って諦めるという選択肢は無いに違いない。直接拉致された人々を知っている家族は、そう多くないはずだ。残された時間は寄り可能性のある方向性に向かう。それだけでいい。


 まだ生きているという思いだけを心の支えにして生きている人々も多いに違いない。その方々に絶望を味あわせるわけにはいかないのだ。


拉致された韓国人は日本人の10倍以上いる。

なのに社会問題化していない。

不思議ですね。

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[気になる点] (僕は韓国人です。日本語が下手なので、ご了承を願います。) 101話の最後の部分にある作家さんのコメントへの回答です。 韓国戦争以降に拉致された韓国人は、日本人の10倍ではなく、1…
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