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第10章-第91話 ていせん

お読み頂きましてありがとうございます。

「私の能力をどの程度解放しましょう?」


「地球が無くなるのは困るな。・・・。南朝鮮の政治体制は維持させたまま親北朝鮮側勢力を徹底的に叩け。その他は外資に繋がる勢力は控え目ならば、ある程度焦土と化しても構わない。」


 冗談を口にしたら睨まれた。怖い怖い。


「証拠も無しになんという指示を。」


 鷹山首相から苦情が入る。


「ああ渚佑子には我慢させてきたからな。俺が逮捕されたときだろ。お前が俺を無理やり首相にしようとしたとき。宥めるのは大変だったんだぞ。良かったな。その頭が身体と繋がっていて。」


「人殺しは社長が嫌がりますから、やりません。」


 渚佑子なら一切の証拠も残さずアリバイも作り、人を殺すことは容易いだろう。まあ警察は遺体が無いと動かないからな。


 だが渚佑子が恐れられているということは、誰もが口を噤むほどの恐怖を与えられているということだ。


「ひっ・・・。」


 鷹山首相の唇から悲鳴が漏れる。そう言えば、俺が渚佑子を置いて異世界に逃亡していたとき、少しだけ暴れたと聞いたな。何があったんだろう。


 この世界ごと見捨てられたと思ったと怒っていた。まあ誰に習ったのか知らないけど、眦に涙を溜めて睨みつけてきたから本気じゃないだろう。


「この人も私の管理下に置きますか?」


 現役の首相を問題があれば処分したいと言っているらしい。本気だろうか。


「必要無いだろう。俺の大切なものに手を出せば容赦しないがな。」


 従業員の子供で友人というよりは仕事上の付き合いが主な首相と他の従業員では比較にならない。圧倒的に従業員が大切だ。


「志保さんですか?」


 政治家のクセによりにもよって、恋多き女優として有名な『西九条れいな』と噂になるとは。本人曰わく何も無かったそうだが。


「全てだ。従業員や友人たちだな。」


「従業員でもあり、友人でもあるトモヒロ君なんか1発でアウトですね。」


 首相は目をシロクロさせている。解り易いヤツだ。


 『西九条れいな』と噂になった現場にトモヒロ君も居たらしい。LGBT関連法案を出し渋っていたがトモヒロ君が説明の場に現れるとコロっと態度を豹変させた。何か弱味を握られているらしい。


 折角のトモヒロ君の弱味を潰すことも無いだろう。


 そのうち、閣僚が次々と到着する。防衛大臣はタカ派で有名な元首相の2世議員だ。本人は好戦的な面を押し隠しているが、政権内の中核に居ながら批判的なことも口に出すことが多く、それが本人の人気に繋がっている。


「大泉防衛大臣。どうするかね。」


「もう艦船は日本の領海スレスレまで来ています。とりあえず舞鶴基地から『せとぎり』を向わせていますが呉基地から『いずも』『うみぎり』を向わせるべきです。」


 『せとぎり』『うみぎり』はあさぎり型護衛艦。『いずも』はいずも型護衛艦のことで、それぞれヘリコプターや戦闘機を搭載できる。特に『いずも』は空母が無いことになっている日本の実質的な空母という、面倒極まりない艦船だ。


「うむ。許可する。その他にイージスミサイル護衛艦2隻、潜水艦2隻を向わせることにする。浅間外務大臣、在日米軍は動いているか?」


「それが・・・第7艦隊の『ドナルド・レーガン』は横須賀に入港しているものの全く動きを見せておりません。」


「だそうだが、山田財務大臣、何か心当たりがあるか?」


「ええまあ。船主としては、たかが数隻の小バエごとき、恐るるに足らずと大統領にはお伝えしております。海上自衛隊も不要です・・・が、出撃回避はなさらないんですよね。だったら、タンカーからみて日本領海に近い位置に居て欲しいと思います。」


 逆にタンカーの周囲に居ても邪魔なんだが。


「タンカーの盾になれというのかっ。」


 この防衛大臣。導火線が短いようだ。


「違います。タンカーが盾になります。『いずも』が到着する頃には全て終わっているかもしれませんね。」


 護衛艦『せとぎり』は間に合うだろうが、残りの艦船が到着するのは早くても半日後だ。


「タンカーの影に隠れろというのかっ。」


 どうしたいんだ。この防衛大臣は。もしかして噛みつきたいだけなのか。


「まあそういうことです。せめて領海内で攻撃を受けないと反撃に出られないでしょう。」


「そ、それは。」


「制空権は任せます。現場ではタンカーを守るために戦う私人として動きます。俺を守るために自衛隊を動かしたというバカバカしい言い訳は止めてくださいね。」


「行くのか?」


「ええ、タンカーの船長によると無線で停船命令を通告してきたそうです。」

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