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第5章-第43話 きゅうよ

お読み頂きましてありがとうございます。

 結婚は会社から結婚準備手当として10万円、結婚祝いとして10万円支給される。もちろん俺個人の結婚祝い10万円もあるため、合計30万円である。さらに無利息で100万円まで借りれる制度も作った。


 妊娠及び子供は、妊娠後出産までの出産準備手当月1万円、児童手当1人につき月1万円。更に契約社員として優先的に登用する。


 バイトと契約社員の違いは、給与の差となってはっきり現れる。俺の会社では、1職種を1人でできるようになると+50円、人に教えられると+50円、発注業務ができると+100円、閉店業務ができると+100円と時給が上がっていく。


 さらに他の職種を覚えていくと更に時給が上がる。今3職種覚えているバイトでは、時給1050円になっているバイトも居る。


 しかしバイトに8時間以上働かすといろいろ問題があるため、今のところ8時間以内でやりくりしている。しかし、契約社員となると月45時間までは残業が指示できる。


 例えば、先ほどのバイトの場合、1050円x8Hx20日=168000円に対して、契約社員の場合 固定給152000円、職能給40000円、残業代1200円x45Hx1.25=67500円で合計259500円である。


 さらに契約社員の方が、各種保険の会社側の負担割合が大きいことも優遇されている点である。ちなみに相馬くんの場合、100円ショップ店長兼牛丼スタッフという変則だが、固定給236000円、職能給20000円、出産準備手当10000円、残業代1600円x45Hx1.5=108000円で合計374000円である。


 年収ベースで450万円近くあり、若干払いすぎかなと思わないではなかったが、うちの会社の主力メンバーなんだからと思い直した。


 妊娠で思い出したが、出産後の育児休業には雇用保険が1年以上継続してないといけないらしい。相馬さんは前の会社で正社員からアルバイトに変わった際、雇用保険を利用しなかったせいでこちらに会社でも継続して雇用保険を適用させることでこれをクリアした。


 さらに出産休暇に入る前に半年以上雇用契約を結んでいないと適用できないという問題もあったが、これは雇用主の了承さえあれば問われないということでクリアできた。


 本来、弱者を守る制度でありながら、その弱者にも入れない人間が居るという。なんともやるせない制度だ。この制度の矛盾はなんとか、社内の制度でカバーできないかと考え中である。雇用保険の適用外のバイトにも、ごくわずかでも援助できる制度を作りたいそんなふうに考えている。


・・・・・・・


 俺にはライバルが居るらしい。商工会議所の同じ地区にコンビニのFCを8店舗持つ、経営者が会う度に敵愾心をむき出しにしてくる。


「よう、景気よさそうだな。ついこの間まで3店舗で四苦八苦していたのに。いったい、どこの金蔓を見つけたんだ。」


「ああ、知り合いの会社の株を買ったら暴騰してね。その資金を元に、今事業を拡大しているところなんだ。」


「へえ、なんて会社だい?」


 聞いたことも無い会社なんだろうけど、一応、聞いてやるよと言いたいのか。大柄に聞いてくる。


「スミス金属だ。」


「えっ、もう一度言ってくれ。」


「スミス金属だ。」


「嘘だろ。今話題のスミス金属なのか?どれくらい持っているんだい?」


 大した量ではないんだろって顔をしていやがる。まあ、驚くがいい。


「俺名義と会社名義を合わせれば、子会社にできるくらいはあるぞ。まあ、買ったのは底値だったから、1億円もかかっていないがね。」


「・・・・へ・・へぇ・・・。」


 『鑑』をつかわなくても読みやすいな。こいつ。モロ、顔にでている。


「最近、契約社員の登用を増やしているんだって。バカだな。従業員は使い潰してこそ意味があるんだよ。そんなに守ってどうする。」


「ああ、子供が出来るっていうんでな。子供は皆の宝だぞ。俺たちの老後の社会の支えてくれる礎だ。大切にしていかなくてはな。」


「そこまで、バカなんだな。子供ができたら、お荷物だろ。普通、直ぐにクビにするのが今の常識だろ。他人の子を育ててどうするよ。」


 とことん、相容れないなこいつとは。


「俺なんか見てみろ従業員は皆、中国人だぜ。クビにするのも簡単だ。」


「おまえ、売れ残った商品を従業員に買わせているって本当か?」


「ああ当然そうだろ。売れ残ったのは奴らに責任があるんだからよ。だから、うちは廃棄率0%に近いぜ。すごいだろ。」


「深夜1人体制をしていると聞くが・・・。」


「よく知ってるな・・・。そう、たまに強盗が入るがね。深夜は自動釣銭でしか金が出ないから、やつら諦めて逃げていくよ。たまには、店員が殺されるが。それはしっかり保険が掛けてあるからよ。」


「遺族に出すのか?」


「そんなわけあるか。その日の売り上げ減少のために手当てするんだよ。警察に事情聴取されている時間は営業できないからよ。だから、強盗が入っても、金も商品も渡すなって教育してある。」


「よくそれで従業員が付いてくるな。」


「やつらは、いくらでも湧いてくるからな。同国人が殺されたからと言って、敬遠したりしねえよ。どちらかといえば、働ける場所が空いて喜んでいるだろうな。」


こんな経営者が居たら嫌ですよね。

でも結婚や妊娠した際にクビにするブラックな企業は実在します。

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