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第6章-第57話 でもたい

お読み頂きましてありがとうございます。

「兄もお礼を申し上げておりました。」


 荻尚子の弟は警察庁刑事局組織犯罪対策部の部長をしており、彼が就任当時企画立案した朝鮮マフィアの一掃の目途がついたことで次期刑事局長に内定したらしい。


「タダのゴミ掃除ですわ。『カエサルのものはカエサルに返せ』です。」


 朝鮮マフィアが何をしたか知らないが、渚佑子の怒りを買い、『転移』魔法で北朝鮮に強制送還させられたようだ。『カエサルのものはカエサルに返せ』は有名な言葉だが随分と意味が違う。ニヤニヤ笑っているところをみると解って言っているらしい。酷いブラックジョークだ。


 朝鮮人だから、北朝鮮へ帰したのだ。


 おそらく密入国者として処刑されたか、強制労働に従事させられているのだろう。


「それから、兄から渚佑子さんに伝言。選挙日当日の多衆行進又は集団運動に関する条例の申請および道路使用許可の申請は通ったそうよ。」


「ありがとうございました。」


「渚佑子。もしかして、例の件か?」


 あの件・・・よくもまあ、許可が出たものだ。それも選挙投票日に合わせてしまうとは。


「そうです。有事の際に警備担当をしてくださる英軍米軍合わせて2万人の指揮命令の確認です。」


 万が一、銀河連邦の宇宙船が攻めてきた場合、地球上の何処よりも山田ホールディングスの高層マンションが一番、耐えられるように設計しており、各国の要人を収容できるのだ。


 周囲のビルが破壊される中、高層マンションが無傷で残ることになれば、民間人も押し寄せてくるに違いない。地下には一時的に100万人規模で収容できるダンジョンを構築中なのだが、日本人全てを収容できるわけではない。


 従って高層マンションを警備する人員がどうしても必要になってくる。その際に地球連邦軍が形勢できていればいいが、できていない場合に『勇者』に従ってもらわなくてはいけなくなる。


 その確認作業のため、予行練習を実施する必要があったのだ。


 選挙投票日当日に高層マンションの周囲に整然と並んだ英軍と米軍。ある意味、強い示威行動かもしれない。


「2万人か。3交代で6千人規模か。」


「それが中国とロシアとフランスとドイツとオーストラリアと韓国も兵力を送りたいと打診してきておりますが、如何いたしましょうか?」


 どこからか情報が漏れているらしい。いや、もしかすると地球連邦設立に向けて、わざとアメリカ大統領が漏らしているのかもしれないな。


「最後の国は駄目だな。国際法も守れない国の兵士が来ても掻き回されるだけだ。その他の国の見返りは何だ?」


「ヴァーチャルリアリティ時空間への参加と要人住居の提供だそうです。」


 妥当といったところか。ヴァーチャルリアリティ時空間は元より先進各国の一部を排除する意思は無く、順次参加していって貰う予定だったのだ。


「ええーっ。ヴァーチャルリアリティ時空間って、そんなに凄い技術なの? たかがゲームでしょ。」


 選挙区を回ったときにも、良く聞く話でヴァーチャルリアリティゲームとヴァーチャルリアリティ時空間を混同している人々が一定数いたのだ。


 だがまさかこんなところにも1人居たとは思わなかった。


「お姉さま。キャリア官僚のくせにヴァーチャルリアリティゲームとヴァーチャルリアリティ時空間の区別もつかないんですか?」


「キャリアなんてね。的を絞って勉強すれば簡単なのよ。それに私の場合、兄に更に絞り込んで貰ってギリギリ合格したのよ。更に警察庁へは兄に引っ張りこまれたから、本当に何もしていないのよ。」


 第1種国家公務員試験に合格するだけなら、簡単だという話は良く聞く話だ。眉唾だと思っていたら、こんなところに本人と出くわすとは・・・まあ、それでも俺よりは記憶力は良さそうだ。


「日本人の認識力の無さには呆れるよな。だが、その認識力の無さが選挙の敗因にならなければ良いのだが・・・。何か自信無くなってきたな。」



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