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第3章-第24話 ぱっしぶすきる

お読み頂きましてありがとうございます。

「渚佑子。今月に作成された『山田取無』もしくは『山田ホールディングス』に関する調査報告書の件数は?」


「13万件余りです。」


 これまでは感心が無かったのだが、以前から俺や俺の会社に関して無数の調査報告書が存在しているのは渚佑子から報告があったので知っていた。


 だが世界規模で事業展開を行うに辺り、国家機関およびライバル会社での調査報告書を渚佑子の『知識』スキルを使って毎月チェックしているのだ。


「今月はまた多いな。組織と個人の割合は?」


「約1対130ほどです。」


 組織で1千件もあるのか。


「では組織からだな。日本国内の国家機関によるものは何件だ。」


「15件です。うち3件で起訴可能性について国土交通省と文部科学省からの依頼と法務省内部で報告書が作成されていますが何れも起訴の可能性無し、逮捕状の請求も不可能との結論に至っております。」


「国土交通省は『ゲート』の件で弱味を握ろうとでも考えているんだな。文部科学省は高等学校へのヴァーチャルリアリティー導入の件だな。法務省内部は何処の部署が依頼しているんだ?」


「公安調査庁です。」


 公安か。それでは首相も知らないんだろうな。外遊から帰ってきたら、圧力を掛けて貰うとするか。放っておくと面倒なことになりそうだ。


「心当たりが無いな。さつきに言って調べさせるか。念のためにCIAとMI6にも連絡をしておくように。公安調査庁内部の報告書は他に無いのか過去1年以内のものだ。」


「ありません。」


「無いのか。流石は秘密警察。報告書レベルでは作っても廃棄しているんだな。では紙レベルでは何件くらいある?」


「それが・・・ありません。」


「無いのか・・・ますます不思議だな。何の件についてだ?」


「フィールド製薬の株取引に関してインサイダー取引規制に抵触する可能性です。」


「また古い件を持ち出してきたな。まああまりよろしくない取引だったことは確かだが内部情報でもないし情報の公開後だったから、法律を改正しないかぎり抵触どころか全く触れないだろう。」


「はい。回答でもそうなっています。」


「ありえるとすれば、法律の拡大解釈くらいだ。判例が出ていないような件ならまだしも、良くある事例だしな。個人が依頼した分も含み同じ件でここ1年に出た報告書はあるか?」


 どこかの誰かが公安調査庁のトップに指示して依頼を出させたとかだろうか。全く想像がつかないな。まあそのうち、さつきから調査があがってくるだろう。流石に12万9千件余りの個人が出した報告書をしらみつぶしに確認するわけにもいかない。 


「ありません。」


 まあそうだろうな。公安調査庁のトップに依頼するような人物だ。秘密主義者なのだろう。


 面倒だが、そろそろ本拠地をアメリカに移したほうが良いのかもしれない。


「個人からの依頼で一番多いのは、また浮気調査か?」


「そうです。13万件中およそ3万件が、『山田取無』氏との肉体関係の調査となっています。」


 呆れることに世界中で3万件も俺を相手とする浮気調査が行われているらしい。1ヶ月に3万人もの女性と会ってもいないぞ。世界から3万人も俺の元に調査しに来ているとは思わないから、奥さんや恋人の素行調査なのだろう。


「聞きたくもないな。俺はこんなにも愛妻家だというのに何故伝わらないんだろうな。」


 ことあるごとに言って回らなきゃいけないのだろうか。


「『誑し』なんだから仕方が無いと思うことですね。ちなみに女性の依頼人もいますから、男性相手でも『誑かさない』ほうがよろしいかと。」


「はあ。君たち『勇者』のパッシブスキルのようにON・OFFができるといいんだがな。」

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