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第3章-第21話 たいとる

お読み頂きましてありがとうございます。


野球ネタはネタを思いついてから調べることが多すぎる。遅れてごめんなさいです。

「監督。リーグ優勝おめでとう。」


 リーグ優勝が決まった日の翌日出勤してきた監督に声を掛ける。プロ野球恒例の行事であるビールかけは企画だけしたが未成年や下戸の選手共々参加せずにテレビ局のスポーツ番組で見る側に回った。


 何千本のビールが飛び交う中に立っているだけで皮膚や呼吸からアルコールを吸収してしまうらしい。そのことを説明する側に回ったというのが建前だが、ビールの臭いをぷんぷんさせて、さつきや子供の前に戻りたくなかったというのが本音だ。


「社長のおかげだよ。オールスターゲームの後、俄然ヤル気になってくれたから。」


「Aクラスが見えたからな。AクラスはAクラスでも3位じゃクライマックスシリーズを主催できないから球団収入が激減するじゃないか。まあ公式戦を1ヶ月も残して決めて欲しくなかったなんて選手には言えないけどな。」


 リーグ優勝がいつ決まるか解らなかった1週間先まで外野席を含めてチケットは売り切れているが、その後はかなりチケットが余っている状態だ。


「社長らしいと言えばらしいけど、言ったら殺されるぞ。」


「今日から消化ゲームに入るから約束通り、俺の支配下選手登録は抹消しておくぞ。代わりに2軍から誰かを上げてやってくれ。」


「いや、それなんがだ。」


「何かあったか? この2ヶ月間、先発もリリーフもやったからタイトルには絡んでいないはずだろ。」


 高城投手と穂波くんと那須くん専用のリリーフと中6日で先発に登板した。


 先発を間に挟んだから連続セーブ記録は最大3だったし、先発の翌日は休みを貰ったから月間セーブ記録も12だったはずだ。それに先発時にそこそこ打たれているから防御率のトップ3にも絡んでいない。


 何かのタイトルに絡んでいれば、それを理由に1軍残留を押し通されると思ったからだ。


「やっぱり、そんな意図があったのか。先発を除けば連続セーブ記録21とコミッショナーと選手会が気付いて騒ぎ出しているぞ。この状況下で支配下選手登録の抹消なんかできるかよ。」


「じゃあ気付かずに俺が希望したということで中8日の先発で我慢するよ。」


 本当を言えば、先発登板もやりたくない。やれば先発時の勝利と救援時の勝利を足したリーグ最多勝に絡む可能性があるからだ。


「何故、そこまでタイトルに拘るんだ?」


「いや拘ってないから、取らないように一生懸命に考えた結果なんだが・・・。」


「だから何故タイトルを取らないように拘るんだ?」


「やばいんだ。俺の来季の契約更改で億越えしそうなんだよ。完全試合は今期の特別ボーナス扱いにして、安く見積もっても9千万円なんだぞ。」


 今のところタイトルは完全試合だけだ。今期の最多勝利数にも関わっていなければ最多セーブ数にも関わっていない。


「そりゃ社長の成績で1億円を越えなかったら、選手会から抗議が来るだろうよ。」


「初年度で億越えは前歴が無いんだ。絶対に他の球団から抗議が来る。」


「別に更改で金額を公開する必要は無いんじゃ・・・そうだ。Ziphoneの役員報酬込みで発表してしまえば細かい金額は解らないじゃないか。そうしろよ。」


「それはいい考えだ。役員報酬に比べれば1割にも満たない金額だ。そうさせて貰うよ。」


「くそっ。俺の年棒より多いじゃねえかよ。」


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