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第8章-第68話 かんちがい

お読み頂きましてありがとうございます。

「どうしたトム。訪ねてきたと思ったら、溜め息ばかりついて。春季キャンプがツライのか? 親父も完璧は求めて居ないと思うぞ。僕もそうだけどテレビ画面でトムの元気な姿が見られれば、それで十分なんだ。」


 イギリスの賢次さんのアパートメントを訪ねて、どう切り出したらいいか悩んでいたら心配されてしまった。


「いや。そうじゃないんだ。他の支配下選手の皆には悪いがスポーツクラブに通っているみたいなものだ。元々、イギリスで予備役の戦闘訓練を受けるときは何倍もハードなメニューをこなしているんだ。チバラギでも公爵領でも1週間に数回は天然のアスレチックスで汗を流していたからな。」


 セイヤは未だに心配して誰か付き添いを連れていけと言ってくるが足手まといにしかならない。公爵領ではジェミーも必死でついてくるだけだ。


「戦闘訓練か。トムって凄いんだな。」


「まあな。賢次さんも背後から羽交い締めとかは止めてくれよ。咄嗟には手加減出来ないときがあるからな。」


 賢次さんは芸能人との付き合いが長い所為か時々スキンシップを要求してくるんだよな。


「まさか素手で人を殺せたりするのか?」


 ベトナム帰りの兵士じゃあるまいし、そんなことでいちいち人殺しするわけにもいかない。


「そこまではいかないが再起不能にしてしまうかもな。時々居るんだ俺を愛玩しようとして来る兵隊が。股間にプロテクターを着けていなかったら、男として再起不能だったかもしれない。」


 賢次さんが真っ青になって股間を押さえる。やっぱり、引くよな。この辺りは異世界で襲われたときに培ったものだ。女性でも股間を蹴られるとダメージがあるらしい。


「大丈夫ですよ。正面からなら痴漢行為でも働こうとしないかぎり、そんなことにはなりませんから。」


 賢次さんはダラダラと額から汗を掻いている。なんだろう王子付きの屈強な女性兵士に悪戯でもするつもりだったのだろうか。


「それで僕に相談なんだろう? トムを愛玩しようなんて思っていないから何でも言ってくれ。」


 それって、そうしたいと言っているも同然なんじゃ。まあ義兄弟としてなんだろけど。


「いやに愛玩に拘るな。ゲイを認めないわけじゃないが、愛玩される趣味は無いからな。」


 俺だって男だ。それも可愛い男じゃ無い・・・つもりだ。


「えっ。僕のこと・・・知って・・・。」


「何だ。賢次さんも俺のこと愛玩したいと思っていたとか? 兄妹揃って同じ趣味かよ。それは止めておいたほうが良いと思うぞ。ZiphoneのCOOがゲイに間違われるなんて最悪だからな。」


 さつきに力で敵わないと思い知らせたときに本当にガッカリしていたからな。それまでは、こちらのプライドがズタズタに成る程、力ずくでイロイロされたからな。こっちも楽しんだからいいけど。


 日本企業のトップがそんなスキャンダルに巻き込まれたら、企業イメージがズタズタにされる。幾ら芸能界でオネエタレントが活躍している。と言っても日本人の特に男は厳しいのだ。


「あ、ああ。・・・うん。そうだ・・・その通りだ。」


「それで相談なんだが、しばらく賢次さんの身体を俺が独占したいんだ。いいだろうか?」


 ケント王子との予定が入っていてもキャンセルして貰わなくてはならないくらいスケジュールは切羽詰まっている。


「それは・・・いったい・・・。」


 俺の剣幕に恐れをなしたのか。喉を鳴らしながら賢次さん視線を逸らす。


「2日間くらい缶詰になって貰ってヤってヤリまくらないといけないと思うんだ。」


 何せその数が多いからな。


「そんなこと・・・してもいいのか?」


「もちろんだとも俺も一緒になって頑張るからさ。引き受けて欲しいんだ。」


 全てを賢次さんに任せたほうが効率的なのか。2人でしたほうが効率的なのか専門家じゃない俺にはわからない。


「いっしょ?」


「そうだとも、2人で合体しなくちゃ始まらないだろ。」


 恐らく1曲のうち前半を賢次さんにお願いして、賢次さんが次の曲に取りかかっている間に俺が後半を前半の編曲に真似て行うのが効率的だと思っているだけだ。


「合体・・・?」


 賢次さんが前のめりになって聞いてくる。なに興奮しているんだか。エロ単語を聞いた高校生かよ。


「ああ合作と言ったほうが正しいか。」


「ちょっと待った! 何を合作するんだ?」


「決まっているじゃないか。Motyのイギリス公演で使う楽曲の編曲だよ。」


 今まで何も言って来なかったキタ・シャニーズ芸能事務所が原曲の使用禁止を申し入れしてきたのだ。


 法律上編曲後の使用は認められているから、編曲を原曲の作曲家である賢次さんにお願いしたかったのだ。

いつの間にか400話を越えておりました。

これもひとえに読んでくださる皆様のお陰と感謝しております。

まだまだ続いていきますのでご愛読をお願いいたします。


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