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第5章-第41話 広報

お読み頂きましてありがとうございます。

「お義兄さん。申し訳ありません。」


 元々、長年続いてきた猫のお母さんシリーズCMの発案は義兄である。製作もZiphoneグループの専門広告代理店が引き受けており、ただプロジェクトマネジャーを大手広告代理店の博通堂の岡本氏に任せていた。


 だが岡本氏が独立したのを契機に博通堂を外した結果、同CMに対して数々の嫌がらせが続いているのだ。


 その一つに長年CMに出演頂いていた俳優陣が契約を延長しないと所属事務所が通告してきたのだ。


 特にお父さん役の松木健さんは時代劇俳優として有名だ。彼に抜けられるとCM自体が続けられなくなってしまう。そこで義兄さんに説得をお願いしたのだ。


 義兄さんは個人的に松木健さんと知り合いということらしく。今回も彼が住むマンションで一晩かけて説得してくれた。


 翌朝、俺に契約延長の話をしてくれたときには、2人で語り明かしたということだったが、意外とつやつやとした顔をしていた。まあ友人にしか打ち明けられない話とかあるのだろう。


 そして、彼がSNSで今回の件で博通堂から圧力があったらしいと不満を呟くと博通堂バッシングが始まり、他の俳優陣からも契約延長の話が持ち込まれたのだった。


「いいんですよ。トムの役に立てるのなら、どんどん使ってください。」


「ケント王子。怒ってなかったですか?」


 お義兄さんはZiphone携帯のワールドワイド化のため、ラインズ・テレコムとの交渉は大詰めに入っており、ヨーロッパを飛び回っている。特にイギリスはEUから脱退しているから、EUとの交渉はやっかいだという。


 それでも頻繁にケント王子は、お義兄さんのアパートを訪れているらしいことは報告で聞いている。


 俺はお義兄さんがイギリス駐在なことをいいことに、MOTYのヴァーチャルリアリティーイギリス公演の手配を全て任せているのだ。それで会えないとケント王子に愚痴を言われたことがある。


 そして今回の件である。流石に片道14時間も掛けて来てもらうのは大変なので『移動』魔法で来て頂いたのだが、それでもゴンCEOとの話し合いとかもあるそうなので数日滞在する予定なのだ。


「ああ、ヴァーチャルリアリティー空間で会う約束をさせられた。あれって凄いな。五感が全て本物のようだ。」


 世の中には瞬きしかできないような障害者が多いらしい。そういった障害者でも、懸命に生きている人間は多い。そういった彼らを支援するような、ヴァーチャルリアリティーを作るのが最終目的だが、結構応用範囲が広い。


 お義兄さんとケント王子のように離れた場所に居ても、会うことができる。


 せいぜい、今は寝心地のいいベッドやソファを用意することくらいしかできないが、将来はヴァーチャルリアリティー空間で仕事ができるようにしたいと思っている。


 理論上、人の感覚は20倍まで耐えられる。安全マージンを取っても12倍くらいの速度で時間を進められるのだ。


 それだけの時間があれば、人不足も解消されるかもしれない。


「まだまだこれからです。例えば脳に手を握られたという情報を伝えると手には握られたと情報が脳から送られ、その情報が手から脳に送られる仕組みになってます。だから、反応する器官の反応速度によって微妙にズレが発生するんですよ。」


 まだまだ。改良の余地は沢山あるのだが、通常の時間の進みでヴァーチャルリアリティー空間で会って喋るくらいなら、十分に安全だと言える段階まで進んでいるので、俺の知り合いで希望する人々に時価で提供させてもらっている。


 機器が1台10億円もして、さらに空間使用料が1時間100万円もするのに買う人間が居るというのが凄い。その1台がケント王子であり、お義兄さんであったというわけだ。


「例えばどんな器官が反応速度が速いんだ?」


「快感を感じる器官が早いようです。電気信号に例えると物凄く電圧が高くで時間が短いもののようですよ。だから、あの空間でエッチしようものなら、神経が焼き切れるかもしれませんね。」


「えっ・・・。」


 お義兄さんは真っ青になった。


 なんだろう?


 もう1台機器を購入して、ヴァーチャルリアリティー空間でエッチでもするつもりだったのか?


「冗談ですよ。どうしても、重なってしまう時間は強く感じるかもしれませんが。それでもせいぜい5割増しくらいですね。人は20倍まで耐えられるそうですから余裕です。ただ、余りやりすぎると通常空間に戻ってからのエッチが感じなくなる可能性もあるので、ホドホドにお願いしますね。」


「トムはやってみたことがあるのか?」


「無いですよ。感じなくなったら、嫁たちに怒られますから。老後の楽しみに取っておきます。お義兄さんが試してみたいのなら、止めませんけど報告してくださいね。」

始終、新作告知をしている気がしますが・・・(笑)


今回は『斬新なアイデア?』が閃きました。

私の作品には珍しい王道テンプレですが

『乙女ゲーム』と『巻き込まれ召喚』の両テンプレの融合に挑戦します。


「勇者召喚に巻き込まれた悪役令嬢」をよろしくお願いします。

http://ncode.syosetu.com/n8187dx/


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【新作】「ガチャを途中で放棄したら異世界転生できませんでした」
https://ncode.syosetu.com/n4553hc/
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