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第3章-第32話 ほわいとはうすとてろ

お読み頂きましてありがとうございます。

「大統領。彼がスギヤマ監督です。彼もうちの主要メンバーとして世界各地を飛び回ってもらうことになるので、例のメンバーに登録頂けませんか?」


 ここホワイトハウスに連れてきたのは訳がある。有名人を『移動』魔法で連れまわす場合、後付で航空会社の搭乗データや税関、出国・入国手続きが必要な場合、アメリカCIAの手を借りてデータの改竄を行なって貰っているのが現状だ。


 完全な国家的犯罪なので極秘のうちに行なわれなくてはならない。事前に連れまわすメンバーをCIAに登録してもらうだけでも作業のし易さが違うということで、必ず大統領に挨拶にくるようにしているのだ。


 今回も挨拶をするだけだ。本来、スギヤマ監督はロスアンゼルスのブリリアントリリー賞の会場に居るはずなのだから。


 そのまま、幸子が使うというホワイトハウスの一室に案内される。


 その隅に空間連結用の扉を取り付ける。この先は、自社の社長室に繋がっている。将来的には建設中のマンションに繋げる予定だ。


 あのマンションには魔法陣を多用しており、世界で一番安全な場所となる予定だ。おそらくマンションに爆弾が降ってきても大丈夫だ。


 高層マンション部分は売りに出すつもりだが低層のマンション部分は、自社の幹部に貸し出したり、希望があれば大統領など信用度の高いコネクションのある人物専用に売り渡すつもりである。


 パパラッチ対策に内部に住居専用の通路を作りセキュリティー上隔絶した世界にする予定で、出入りするには管理人室の前を通る必要がある造りになる。管理人室には、渚佑子やクリス、アポロディーナといった人間を配置する予定である。


 出入りする人間や住人には、奥さんたちに渡した指環から属性魔法部分を除いた簡易版にICタグを埋め込んだものを身に付けてもらい所持していない人間を完全に排除する仕組みを作りあげる予定である。


「何よ。この扉で行き来できるんなら、トムの傍を離れなくてもいいじゃない。」


 扉を開けると幸子が入ってくる。


「ダメだ。この扉はあくまで緊急避難用だ。幸子には、ここで大統領に依頼された荒野の緑地化と宇宙エレベーターに関する仕事をやってもらう。」


「何でよ。」


「主な理由はお前の口が軽いからだな。お前が俺とイチャイチャしたいなら、会社でしないことだ。異世界と違って、この種の噂は叩かれることが多いんだからな。俺がさつきと結婚したことでなんとか噂が消えかかっているんだ。今のタイミングを逃すと大変なことになる。」


「そんなに噂になっていたの?」


「ああ、俺の耳に自然と入ってくるほどだ。これからは仕事とプライベートをしっかりと分けてくれよ。そうしないと俺はお前をクビにするしかなくなる。」


 幸子の顔が曇ってしまった。落ち込んでいるらしい。これで反省してくれればいいんだがなあ。


     *


「話は終わったかな?」


「大統領。お時間を取らせて頂いて申し訳ありません。大統領にはシェルターがあるので不要と思いますが何か緊急時にはご使用ください。」


 そういえば大統領とスギヤマ監督の前だった。幸子に言うだけでなく自分も気をつけないと。どうも最近、気を抜きすぎる傾向があるかな。


「緊急時に助けには来てくれないのか?」


 そうそうホワイトハウスで問題が発生するとは思えないが何事にも優先順位というものがある。


「はあ。申し訳ないですが、大統領と幸子だったら、幸子を取ります。幸子の安全を確保したら、救出に向かいます。ですので幸子の傍に居るのが一番安全かと思います。」


 俺がそう言うと幸子は顔を上げ笑顔をつくる。単純だなあ。


「そうだな。ホワイトハウスの観葉植物の量を増やすことにするよ。エアフォースワンでは助けてもらったからな。」


 大統領はそう言って遠い目をする。ある意味幸子が最強の護衛かもしれない。

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