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第3章-第24話 じゅっこのゆびわ

お読み頂きましてありがとうございます。

「そういえばトム。指環が届いていたぞ。」


 セイヤから受け取る。


 魔道具職人の大家さんにセイヤから貰った指環のレプリカを依頼していたのだ。


 あの指環は過去の勇者が製作したものであるため、完全なレプリカを作成できない。今の職人たちの技術では6種類の機能を搭載するのが限界なのだそうだ。ただ位置情報の確認だけは指環の基本機能として組み込まれているため実質7種類である。


 しかも4大属性魔法の4種類までなら廉価で製造可能だが5種類、6種類と増えるごとに桁が一つずつ上がっていくらしい。


 この4種類版を日本で親しくしている友人たちにサバイバルグッズの一種として渡そうと思っている。それに『守』『送』の2種類を付け加えたものを合計10個依頼していたのだ。


 これを奥さんたちに渡していく。


 マイヤーやアヤにとっては不要かもしれないが無かったら無かったで何か言われそうで取っておいたのだ。


 実質、『守』で身を守って貰うことと『送』を非常ベルとして活用してもらうつもりで渡した。


 位置情報は俺の持つ指輪から調べられるようにリンクされている。


 ひとつずつケースから取り出し彼女たちの左手の薬指に装着し呪文を唱えていく。


 実はケースごと渡していったのだが、やり直しを命ぜられてしまったのである。


 マイヤー、さつき、アヤ、幸子、ミンツ、静香、アポロディーナ、ジェミーに装着し、残り2個のうち1個はアキエの分であとの残りの1個は予備だ。


「アキエは右手の薬指だな。」


 最後にアキエの指にも装着するとさらに3つの手の平が目の前に突き出される。


 セイヤと鈴江と渚佑子だ。


 およそ予想はしていたがワザとやっているとしか思えない。


 俺はセイヤの手を弾く。


「宝物庫に俺の指環の上位互換があるのでしょう? それをエトランジュ様と互いに装着してください。」


 位置情報の細工だけは大家さんでもできるそうなのでその趣旨を話して聞かせる。


 基本的に細工した側の情報しか分からないので大丈夫だろう。メンテナンスのときに細工されたらどうしようもないがそこは大家さんを信用するしかあるまい。


「渚佑子はダンジョンの中で寝ている間にも効き目のある『保護』という魔法があるんじゃなかったのか?」


 そのときに聞いた話では1撃だけどんな攻撃にも耐えられ、さらに意識の覚醒と連動していて危害を加えられそうになると無理矢理目を覚まさせられるらしい。


 この効果は身を持って体験したので覚えているのだ。


 ダンジョンの中で俺の空間魔法に敵が引っ掛かり、渚佑子を揺り起こした際に半殺しの目にあったのだ。そのとき、絶対に寝ている渚佑子に手は触れまいと誓ったものだ。


「あの魔法は私の最大MPの半分を使用してしまうので日本では使えないんです。」


「最近、この手の嘘が多すぎないか? ポーションを飲まずに俺にも魔法を使ってくれたことがあったじゃないか。」


 俺がそう言うとキッと睨みつけられた。


 恐い!


 その瞬間、残り1個を渚佑子に奪い取られ、自分で左手の薬指に装着、呪文で固定されてしまった。


 これくらいの褒美に見合うだけの働きはしているのだから、渡しても良かったのだが日本に帰ってきた当初に話をしたときには固辞するばかりで褒美は欲しく無さそうだったのになぁ。


 なんで急に欲しくなったのだろう。


 きっと、皆が持っていて仲間外れにされた気分だったに違いない。皆に渡すときに席を外して貰えばよかったのかな。


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またやってしまいましたリアル腐女子ネタ。究極の腐男子がここに(笑)


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