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第4章-第29話 ねっくれす

お読み頂きましてありがとうございます。

 エトランジュ様にセイヤがなじられるシーンの後、侍女たちに嫌味を言われるセイヤを堪能した。後宮に戻ると今日一日でいろんなことがあったせいか夕食後、アキエの添い寝をしている間に一緒に寝てしまった。


 翌朝起きてふと思い出した。そういえば、エトランジュ様との子作りはどうなったのだろう。たしかにアキエが居るから、そういったことにはなりにくいことは確かだ。約束を反故にする気はないがセイヤが強引に推し進めもしようとしない。


 母が言ったみたいに何か裏があるのだろうか。まあ、こちらから言い出して藪蛇になるのが一番怖い、最悪なのはエトランジュ様としている姿をアキエに見られることだ。もし、機会があれば対策をお願いしなくてはならない。


 朝食の際にエトランジュ様からアキエを正式に養女にしたいと申し出があった。


 願ってもない話だったが、将来アキエが日本で暮らしたいと言った場合、問題とならないか心配だ。そこはアキエの意志を尊重してくれることを了承してくれた。


 後日、王家の血を引く遠縁の娘を養女としたことが発表されるそうだ。


 朝食後、王宮に置いてある原付スクーターで貴金属加工の店に向かう。マイヤーは必死に後でしがみ付いている。落ちたら危ないとヘルメットを渡そうとしたら、落ちたら『フライ』を使いますからと固辞された。まあ、ゆっくりと走ればいいか。


 貴金属加工の店では、例のインゴットの出来を確かめてもらう。ミスリルとオリハルコンのインゴット10個づつの買取と平行して、ネックレスの追加注文をおこなった。マイヤーにネックレスと買取のお金の受け取りをお願いした。


 プラチナだけのほうが利益率がいいのだが、それでは本部に不審に思われる可能性もあることから18金のネックレスを中心にした商いだ。日本での株取引などで含み益が大幅に出ている状況下だと必要ないような気もするのだが、小ロットでいいから商売の繋ぎが必要であろう。


 お礼にと申し出たネックレス選びに余念がないマイヤー、女性の買い物は酷く時間がかかることは解かっている。まさか、メッツバーガーの開店ぎりぎりまでかかるとは思わなかった。


 結局、俺が勧めた銅を多めにいれたピンクゴールドのネックレスになった。エルフの白い肌には、そちらのほうが似合うと思ったからだ。俺が店主から受け取ったネックレスをマイヤーに付けてやるとうれしそうに頬を染めていた。


「宝物にしますね。」


「ああ、でも、仕舞いこまないで使ってくれると嬉しいな。」


「はい。」


 教会に到着すると既にもう行列ができていた。


「さあ、はじめよう。クララを呼んできて!」


「はい!」


 その日の売り上げは、昨日には及ばないものの、なかなかの売り上げだ。


「マイヤー!クララの独り立ちの時期はまかせる。意地の悪いことをしてはダメだぞ。次来たときは店はクララに任せてマイヤーと行動する予定だからな。」


「はい、わかりました。」


・・・・・・・


 マイヤーがネックレスのお返しにいいものをみせてくれるという。


「絶対に手を離さないでくださいね。」


 離せるわけがない。手どころか、マイヤーに抱きつきたいくらいなのを必死で理性で押さえ込んでいる。なんせ、マイヤーが『フライ』で上空100Mのところまで連れてきてくれたのだ。ここから、見る夕焼けが綺麗なんだとか。


「怖かったら、抱きついてもかまいませんわよ。」


 もしかして、計画的なのか?


 そんなに恐怖で震えている姿が見たかったのか?


 俺、なにかしたかな?


 マイヤーには、優しく接しているつもりなんだが・・・。どこかで、彼女の逆鱗に触れたのだろうか。


 もっと恐怖を与えたいのか、どんどん上空に上がっていく。まるで、ス○パマンのように自由自在に飛び回っている。俺は顔を強張らせつつも笑顔をむりやり貼り付けていた。


・・・・・・・


 後宮に戻る前に、大家さんのところに寄る。例の腐敗しない袋がどうなっただろうか。


「はい、オークションにあったものをすべて預かってきました。」


 腐敗しない袋は、なんと10もあった。全部買い取るしかないか。


「いえ、代金は王宮のほうから、既に頂いておりますので・・・。」


 セイヤの奴め。そんなに俺を甘やかしてどうするんだ。でも、助かったのは確かだ。日本とは違い、小商いが多い異世界での資金は潤沢では無い。


 オリハルコンやミスリルのインゴットの買取が順調に行かないかぎり資金はそれほど増えないのだ。


「そうですか。ありがとうございました。」


・・・・・・・


 後宮で夕食を頂くと、もう帰還の時間だった。


「アキエ、お土産はなにがいい?」


さあ、アキエさんの要求は?


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