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第11章-第145話 だれもいないまち

いつもお読み頂きましてありがとうございます。

いよいよこの章もラストスパート。作者も吐きそうになりながら、執筆頑張っています。

シリアスの連続はつらいです(笑)

バランスを取るためのお笑い担当の作品も珍しくシリアスになっており、明日公開予定の新作もシリアス。

こんなことがキツイなんてギャグ作家と呼ばれても仕方が無いのかもしれない。

さつきは・・・居ないな。『探索』魔法にも引っ掛からないということは日本に戻ってしまったのだろう。


 いろんな不安が頭をよぎるが・・・自分に言い聞かせる。あいつは、そんな女じゃない。今頃、考え込んでいるに違いない。そしてスパンと割り切ることができる。そんな女だ。


 彼女がどんな答えを出しても従おう。そうさせてしまった俺に責任があるのだから。まあ考える時間は、たっぷりあるのだし、答えの無いことを考え込んでいても仕方が無い。


「じゃあ、行こうか。渚佑子。」


 渚佑子は黙って手を繋ぎにくる。こういうところは楽だ。下手な慰めをしないから・・・。彼女もこれまで沢山、つらいことがあったに違いない。つらいことが分かっているからこそ何も声を掛けないのだ。手の中のぬくもりがそれを物語っている気がする。


     ◆


 俺は、到着していきなり吐き戻してしまう。『境渡り』魔法がつらかったわけじゃない。ポセイドロ国の首都に来たつもりだったんだが、そこには壊れた建物ばかりだったのだ。


 『探索』魔法を使ってどんなに探す場所をひろげていっても、全く人がいない。


 まるで皆死に絶えてしまってひとりぼっちになったような錯覚に陥る。


 そのときだった。突然、ゴーっと言う地響きが轟く。何かが近づいてきているようだ。


 あれは魔獣? まるで、ここに人がいたのを嗅ぎつけたような感じだ。私たちが『フライ』で上空に登っていくとまるで川の激流のように下を通り抜けていった。


 わずかに残っていた建物もこの激流に後形もないくらいバラバラにされていく。


 アルテミス国に『移動』しても、代わり映えしない景色が続く。


 いや、自宅兼攻略部隊の事務所にした建物がそのままの形でのこっていた。


「いらっしゃい。ここに居てよかったわ。」


 私たちが中に入ると1人の老婆が出迎えてくれる。


「どちらさまですか?」


 大変失礼だとは思うがこちらの世界で27年経っていても老婆になるような人物に心あたりが全く無い。


 精々アポロディーナのお母さんくらいか?


 いやいや、あのひとも一族の一員だった。中身は別でも外見は若く装っているはずだ。


「いやだ。そんなに変わった? 27年前あんなに激しく愛してくれたのに酷いわね。」


 目の前の婆さんがふいに妖艶な表情に変わる。


「ローズ・・・さん? まさか・・・。」


 こんなことを言い出すひとはこの世界では1人しかしらない。


 ガイ教皇は死んでしまったのだろうか。いやいや、ガイ教皇ができるのはお肌の再生であって若返りとは全く別の問題だ。


「社長? この女と寝たんですか? あんなに嫌がっていたのに・・・。」


 渚佑子がなぜか本気にしている。このひとはこんなからめ手を使うのが得意だった。真に受ける渚佑子も渚佑子だが・・・。


「いやね。冗談よ。貴方たちは本当に変わらないわね。羨ましいわ。」


 このひとがこんな状態に陥っているということは各国の首都のダンジョンを頻繁に作り変えているということだ。


 いったい何があったのだ。アポロディーナは? クリスティーは? ティナは? ミネルヴァは?


「話をぶった切って悪いが、状況を教えてくれないか?」

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