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第9章-第114話 再会

お読み頂きましてありがとうございます。

 マイヤーの放ったファイアーボールがモデルルームの壁に当たって消える。無効化の魔法陣からは、無効化に成功の通知が入る。よし、上手く動作しているようだ。


 魔力を供給している渚佑子の能力に比例した耐久性を持つから、マイヤーが爆裂魔法を打ち込んだとしても耐えれるはずだ。


 流石に自分も傷つく恐れの魔法なんか・・・・・・おいおい! 本当に撃つ気なのか、それはいくらなんでも不味いだろう。


 それでも制御したのか、小規模の爆発が彼らを襲う。寸前にあらかじめ火魔法限定で設定しておいた反転魔法陣を起動し、巻き戻しを実行する。反転魔法陣をそのまま、食らえばマイヤーも大変なことになる。


 チッ、宝玉の魔力の1割を消費した。これも乱発しないように渚佑子に言っておく必要があるだろう。


 ついでに全ての属性の反転魔法陣を起動する。


「キャー、冷たい!」


 マイヤーが熱いウォーターボールをセイヤに投げつけたらしい。当然、反転したウォーターボールは冷たい水となってマイヤーに降り注いだ。


 濡れ鼠になったマイヤーの近くに行き、ソファーまで引っ張ってくる。指輪を『火』にして『ウインドー』を唱える。ドライヤー代わりだ。お腹の子を冷やすわけにはいかないからな。


「日本にまで来て何をやっているんだか?」


 マイヤーは初め気持ちよさそうに風を受けていたが、大方乾いてくると急にガバッと身を起こす。


「トム! 良かった! 生きていた!」


 いや、確認するように抱きついてくるのはいいけどね。どうせなら、再会したときにしようよ。目の前で散々、ドンパチやられた後だと、なんだかなーって思うじゃない。まあ、マイヤーの沸点が低いのなんか、いまさらか。


 よし、マイヤーの髪の毛も乾いてきたことだし、事情を聞くとするか。


 俺は、スカイぺでエトランジュ様に連絡を取ろうと自空間から、スマホを取り出す。途端に山のようにメールが入りだす。異世界にも届く電波だが自空間には届かない。いや、時間が止まっているから、動いていないだけなのか。


 マイヤーは、安心したのか。俺に抱きついたままですやすやと寝ている。セイヤは結界の外側で結界の壁を叩いているが少し反省してもらおう。


 エトランジュ様から聞いた話では、俺が居なくなったという話を聞きつけたマイヤーがチバラギ国に駆けつけたそうだ。


 無事だと連絡が入ったので、セイヤの誤報ということで終わったのだったが、いざマイヤーがエルフの里に戻ろうとしたとき、突然、マイヤーが嵌めていた火耐性の指輪が壊れたそうだ。


 心配なったマイヤーに依頼されたセイヤが指輪の位置情報を確認しようとしても全く繋がらなくなったので、マイヤーとセイヤはパニック状態になったらしい。


 これは一大事であると俺が危機に陥っているのではと、無理矢理、俺を召喚しようとしたということだった。


 セイヤとマイヤーとアキエがこちらに居ることを伝えると驚いていた。


 さらに指輪の位置情報を確認する手順を突っ込んで聞いてみると想像した通りの答えが返ってきた。


 まず、マイヤーを起こす。


「ああ、ごめんなさい。最近眠れなくて・・・。」


「心配かけたな。」


 そういって、キスをひとつ落とすと満足げな笑みを浮かべた。うん、可愛い、このまま押し倒したい。・・・我慢、我慢。


 俺は、マイヤーを連れてセイヤの傍へ行く。途端に俺に抱きつこうとしているがマイヤーに阻まれている。はずさないヤツだ。


「話はエトランジュ様から聞いた。どうして、こうなったんだ?」


「もうトムが心配で心配で、今まで壊れたと聞いたことが無い国宝級の火耐性の指輪が壊れただけでも驚きなのに、指輪の位置情報どころかほとんど反応しないのでとにかく、召喚しようとしたのだ。」


 へえ、あれって国宝級だったんだ。まあ、あれだけ火を浴び続けたら、壊れるわな。指輪の魔力も枯渇していたからな。


 でも商談中かもしれないじゃないか。そんな勝手に召喚されたら・・・。ここはキッチリと言っておく必要がありそうだな。


「俺の許可無しにか?」


「うっ・・・。」


 今回はたまたま、反転魔法陣を召喚魔法用に設定中だったから良かったものの。他の属性魔法用にする場合なんかだったら、反転魔法陣が使い物にならなくなるところだったじゃないか。


「それにエトランジュ様から聞いたぞ。指輪の位置情報の取得の仕方、指輪の周囲が全て見れるんだって?」


「ああ、それがどうした?」


 チッ、あくまでしらばっくれるつもりだな。


「お前、覗いただろう。俺とマイヤーが別館に入ったとき。エトランジュ様は白状したぞ。」


 これは嘘だ。これの使い方を聞いたときに質問したのだが、真っ赤な顔になっただけで肯定はしなかったのだ。


「何ですって!」


 マイヤーの目がつり上がる。怖ええ。なんかマジで怒っている。


「どういうことですか? 陛下!」


 いつもの喧嘩がじゃれあいなのが一発でわかる。俺は恐る恐る。結界の外に出る。


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