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第7章-第81話 ふろや

お読み頂きましてありがとうございます。

 それから延々と30分ほど説教した。下を向いて・・・。


「君たち!下着くらいは持って無いのか?」


 視界には18人分の生足がモジモジと動いている。もちろん肝心な部分は手で隠して貰っている。


 実は100Gショップ向けに女性用下着は自空間に入っているのだが、出そうかどうか迷っている。これで日本なら、そんなものが出てきた日には、間違いなく変態扱いされる。


 だが、このままでは身の置き場がないので迷っているのだ。


「あのう、全部洗ってしまったので・・・。」


 声からするとティナが答えているようだ。


「しかし、帰還時期も忘れるほど入り浸るとは、どういう訳だ!」


 実は攻略は6日も前に終わっていたのだ。


「・・・・・・・・・。」


「携帯食料もタダじゃ無いんだ。特に最後の一週間分は高いんだぞ!」


 ヤンデレ神父が開発を推し進めた中で唯一ダンジョン攻略に役にたっているのが、カ○リーメイトだ。あの何とも言えない味まで再現しているのには驚いたが、こちらの世界の人間に取っては絶品なのだそうだ。


 それを最後の一週間分に割り当てるように言ってある。ケチくさいかもしれないがアレの一食分が庶民の10日分の食費に相当するというから、相当なものだろう。


「・・・・・・・・・。」


 やはり返ってくるのは無言ばかり、こちらは表情が読めない分、分が悪い。そろそろ切り上げると思ったところ、相手から動きがあった。


 多分神妙に3列に並び、話を聞いていたはずだが、いつの間にか周囲を取り囲まれたのだ。そして、その輪がだんだんと縮まってくるのである。


「まてまてまて、何のつもりだ。」


 そのまま、周囲から手が延びできて腕を捕まえられてしまう。


 ちょっと言い過ぎたか?


「伯爵も一緒に入りましょうね。この気持ちよさは体験してみないとわかりません。」


 混浴か?ニヤつきそうになるのを必死でポーカーフェイスを保つ。


「それは、いくら何でも不味いだろう。」


 特に人に言えない箇所がヤバいことになる。


「何がですか?もしかして知らないのですか?この世界のお風呂屋には湯船は一つしか無いんですよ。」


 本当だろうか。そこまで男に都合よく出来ているはずなら、軍曹さんが話題にしていそうなのだが・・・。


「・・・本当か。渚佑子?」


 そんなわけあるかと思うが異世界のことだから、全く無いともに限らない。


「ほんとうです・・・。」


 とにかく『知識』持ちの彼女の言葉だから信じられる。なら俺は首を上げても問題ないのか?そんな欲望を見抜いたかのように、伸びてきた手で上を向かされてしまう。


 もうそこからは、わやくちゃだった。そこらじゅうから伸びる手でもって強引に着ている装備から下着まで脱がされてしまったのだ。


 そしてそのまま、泉まで連れて行かれてしまう。


 思った通り温めのお湯だった、その分長い間入っていられる。丁度、長野の鹿教湯温泉のお湯の温度くらいだから40度前後か。そういえば、あの温泉も混浴だ。


 昔、鈴江と行ったとき、知らない女性がのぼせたのか正面の浴槽の縁に腰掛けられ、ナニがチラチラ見えるので困惑した覚えがあった。あれは絶対確信犯だったのだろう。それとそっくりな状況なのだ。


「・・・渚佑子さん・・・何故?」


 てっきりこの集団から離れた位置で冷たい視線を送っていると思っていた渚佑子が真正面に居る。


 周囲の女性たちは一緒に湯船に入る人と泉の周囲の岩に大胆な格好で座り込む人とに別れているのだが、視界に入る位置でその均等の取れたスタイルを見せつけるようにして、のぼせたかのようにパタパタと手で扇ぐ姿がわざとらしい。


 きっとこちらの反応を見て楽しんでいるのだ。


 渚佑子は湯に身体を沈めているがその顔は緊張でガチガチだ。きっと俺もこんな顔をしているに違いない。


「私も・・・伯爵と・・・入ってみたかったんです。」


 いくら何でもそれは不味い。彼女は日本人で未成年なのだ。それに考えを巡らせるとスーッと頭が冷えてくる。


「・・・本当にこの世界のお風呂屋は混浴なのだね?」


「ほんとうです・・・。」


 ちっ。視線を逸らされてしまった。ということは、嘘なのか・・・。全くどいつもこいつも急速にすれていってしまっている。きっと、鈴江のせいだな。クリスティーもアポロディーナも渚佑子も鈴江が悪影響を与えているに違いない。


 しかし、自分の身を張ってまで、こんなことをする理由がわからん。目の前の彼女の様子をみる限り、こちらの反応を見て喜んでいる様子も無い。どうみても自分のことで精一杯のようなのだ。


「そもそも、庶民のための風呂屋自体、存在するか怪しいのだが・・・。」


「っ・・・・・・。」


 そこで渚佑子は言葉につまっている様子だった。


「全く鋭いったらないね。リゾート地には貴族専用のお風呂屋さんがあるのよ。そこでは、側室たちと一緒に入っているって話よ。」







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