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第3章-第18話 ばーがー

お読み頂きましてありがとうございます。

 資金的余裕が出てきたので有名ハンバーガーチェーンとFC契約をしてきた。それも、貴金属買取ショップと100円ショップが入っているスーパーの居抜き店舗である。


 元々この店舗は従業員から評判が悪い。聞いた話では通常の店舗よりバーガーやポテトの廃棄が1時間ほど遅く、品質が下がったものを売っていたらしい。


 そうすることで初めは辛うじて利益が出ていたらしいのだが、なんとなくお客様にも伝わるらしく。評判が下がり赤字経営となっていたらしい。


 俺はとりあえず廃棄を通常よりも30分早くして、評判を回復した上で他の店の従業員を使いまわすことで利益を出す考えが表向きだ。


 実際は廃棄する分は、腐敗しない袋に入れて異世界でそこから取り出して売ることを考えていたのだ。しかし、なぜか逆に商品が残らなくなった。通常ロス率が20%なのに10%まで下がったので普通に儲かるみたいだ。


 今までチーフをしていてくれた従業員を社員に格上げし、メッツバーガーのハンバーガー大学なるものに入れるつもりだ。ここでいろんなノウハウを学ぶことができるらしい。本当は時間があれば自分が行きたいところだが、さすがに時間が無さ過ぎる。


 100円ショップのバイトにメッツバーガーのバイトとして入りたいかと聞いたら、こぞって手を上げてくれた。兼業することで長時間働けることも魅力だが、あの有名なバーガーショップで働けるのも魅力だそうだ。さっそく社員旅行明けの金曜日から研修生として、入ってくれるらしい。


 こうして従業員がニコニコとする顔をみるのも久しぶりだ。こういう瞬間が経営していて一番気持ち良かったりするんだよな。


・・・・・・・


 韓国旅行の宴会では従業員の愚痴を聞くのも仕事の内と諦めていたが、こちらに気を使ったのか元妻の悪口大会になってしまった。


 よほど評判が悪かったらしい。私達に子供を押し付けて出かけただの。男には色目を使っていただの。就業時間中なのにずっと化粧を直していただの。聞いて居られなかったのか食事が終ると山井が部屋に戻ってしまった。


「なんで、山井を雇いなおしたんですか?お人良し過ぎますよ。」


 貴金属買取ショップのお姉さまだ。


「まあ、あいつも被害者じゃないかな。人生を狂わされたんだよ。そりゃ、初めは怒っていたがそう考えるとこの店じゃ使えないどころかなんでもできるだろ。割り切れば重宝する人間だし、人数も足らなかった。あいつどう?やはり、評判悪い今でも?」


「そうねぇ。がんばっているわよ。でも頑張りすぎて、いつ壊れるかわからないって感じかな。突然居なくなるかもしれないわよ。そんな感じがする。」


「まあ、あいつも正念場だよ。たかだか半年持たなきゃ、何処行っても同じだね。おそらく、ここ以上の職場はないだろうしね。あいつを鍛えるのにどれだけ苦労したか。聞いてくれる?」


「聞かない、聞かない。もう十分聞かせて頂きました。じゃあ、明日もあるしもう眠るわ。」


 最近はしなくなったけど、俺の自慢話だと思っている従業員も多い。酔っ払った俺に何度も聞かされているのだろう。あまり覚えていないが・・・。


「明日はビューティーツアーだっけ。まあ、楽しんできてよ。」


・・・・・・・


 あえて今回、山井と同室にした。他のバイトと居ても気づまりだろうし、たまたま行きたいところが同じだったせいもある。


 翌日は何と無く怖いのでツアーの添乗員に同行をお願いして、カジノに出かけた。またしても指輪をギャンブルに使ってみようと思ったからだ。


 人と人との勝負だから、『鑑』の位置にしてある。ブラックジャックは1回に勝てる金額が少なくあまり勝ちすぎても不審に思われてしまうみたいだ。ポーカーも同様だ。バカラは、ルールが良くわからなくて負けてしまった。


 結局、ここまで元金100万ウォンが1200万ウォンまで増えた。指輪の相性としては、ルーレットがいいみたいだ。普段は適当に小額をかけるのだが、シュートする人間が偶に暗黒に染まるときがチャンスだ。


 必ず0に入っているのだ。どうやら、ある程度コントロールができるらしい・・・はずしたとしても前後の番号には入る。


 ルーレットは投げたあとでも暫く掛けられるのが特徴なのだ。当然0と前後の3点掛けだ。


 普段はそこそこ負けるが、そのときばかりは12倍の配当がある。あっという間に1億ウォンを越えた。そのころには、山井は全て負けたのか、俺のすぐ隣でみている。


 そこでディーラーから席を替わるようにお願いされた。ここでは100万ウォンまでしか掛けられないらしい。俺はもちろん山井と添乗員と一緒に移動する。


 そこでも、一進一退に見せかけながら10億ウォンまで勝ち続けていた。周囲には観客が集まっており、その観客に嫌な人間を見つけてしまった。


「あらあなた、山井くんと仲直りしちゃったの?よくも騙してくれたわね。どこが出来る男なのよ。その男、煽ててみれば簡単に就職できたから、養ってくれるのかと思ったら簡単にクビになっちゃたわよ。どうしてくれるのよ。」


 元妻が勝手なことをほざいている。


「まあ、いいわ。この人を捕まえられたんですもの。」


 俺が元妻の隣の男性をみると、そこにはフィールド製薬の会長の息子が座っていた。ははん、だから絡んできていたのか。特に興味なかったし。弁護士には、どこかのボンボンとしか聞いていなかった。だから知らなかったが、この男が今の彼らしい。


「いつぞやは、どうも。」


 俺は無視することにして、ルーレットに集中した。また0を狙ってくるらしい。よし、一気に勝負だ。俺は2億ウォンずつ0とその前後に掛ける。


「山田さんでしたっけ。そんなに0にくるわけがないでしょうが、素人は困るね。俺はこう掛けるね。」


 ボンボンは、俺に対抗したのか同じく6億ウォンを4目掛けに1億ウォンずつ掛けた。


 周囲からは、オーとか言われているが、結局俺の勝ちで、78億ウォンとなった。


「偶然だね。まだやれるのかい?じゃ、こっちも・・・。」


 5億円くらいチップに交換しているらしい。


 ディーラーは意地になっているようだ。また0を狙っている。そろそろ負けておくか。俺は、32と26に20億ウォンずつ掛ける。ボンボンはびびっているようだ、なんと黒に20億ウォン掛けた。


「またですか、しかも前後だけとは、これだから素人さんは・・・。ほら来ましたよ。黒だ。」


 まだ、回っているから解らないのか?緑の隣だ、つまり26に入ったのだ。これで、758億ウォンになった。どうやら、ディーラーが交代するようだ。


 さすがに、このディーラーは思考が読めない。10億ウォンの4目掛けを6点に掛けているのだが、全く当たらない、あっという間に半分以下になってしまった。これは辞め時だね。俺はディーラーに言って、1億ウォン分のチップだけをウォンにあとを日本円に換金した。


 チップは多すぎるかと思ったが1億ウォン分にする。山井はまだ遊びたそうだったので、細かいチップは半分は山井にもう半分を添乗員さんに渡した。


 帰るときに、ボンボンの様子を見たが半泣き状態だった。どうせ、こちらの掛け金に合わせて掛けていたんだろう。いったい幾ら負けたんだか。


きっと、一流のディーラーは自分の心も騙せるのでしょうね。

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