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第3章-第17話 ぱーと

お読み頂きましてありがとうございます。


 マイヤーからMP回復ポーションとHP回復ポーションを10本ずつ貰った。これを使えば、日本で数が多いインフルエンザで死ぬ子供が減らせるかもしれないな。


 でも、薬事法違反だよな。フィールド製薬の会長に持ち込むという手はあるが指輪で鑑定した結果、成分上日本にある天然の材料では無理かもしれない。


 その後、夕食の時間まで後宮にある魔法の訓練用施設で過ごした。


・・・・・・・・


「あんまり飲んでビール腹にならないでくださいよ。」


 夕食には当然のようにビールが出てきた。セイヤはうれしそうに飲んでいる、もちろん俺も冷蔵庫からエビッスビールを取り出して、飲んだ。うーん、やっぱりエビッスだな。


「ビール腹ってなんだ?」


「ビールで太ってくるとお腹が樽のようになるのでそう呼ばれていますね。格好悪いですよね。」


「そうね。1日1本くらいのほうがいいんじゃない。」


 エトランジュ様もそんな風に言っている。1本飲み終わったセイヤがもう1本の缶を片手に情けなさそうな顔をしている。


「そんな情けない顔をしなくても、大丈夫だよ。あとで、しっかり運動すれば・・・。」


 セイヤの口がニマニマしている気持ち悪いなもう。そんなにうれしいのだろうか。


「トム殿、マイヤーは優しく教えてくれたかのう。」


「ええ、懇切丁寧に教えて頂きました。優しい人ですね。とても80歳には見えないけど・・・。」


 そう言うとセイヤとエトランジュ様は顔を見合わせた。


「そ、それは、マイヤーが教えたのか80歳と?」


「そうですが、それが何か?」


「信じられないわ!!あのマイヤーさんが自分から言うなんて!!」


「そうだな。この間、それを口にした兵士は酷い火傷を負わされていたし、俺達でもどんな報復があるかわからん。気に入られたようだのう。」


「気に入られたようですわ。」


「えっと、そんな激しい人なんですか?じゃ、今度お会いしたときに、陛下がそう仰っていたと伝えておきますね。」


「え、まて、まて、まて!それは勘弁してくれ!王宮が火の海なってしまう。」


 へぇー、そんな気性には見えなかったけどな、きっとあの外見とのギャップで酷いことでも言ったんじゃないのかな。


「なにか、面白そうな話をしているわね。」


 どうやら当人が聞いていたようだ。セイヤとエトランジュ様は二の句が告げないようだ。


「・・・・・・・・・・・。どこまで聞いていたのか?」


 セイヤがビクビクとして聞いている。


「えっ、王宮が火の海ってところだけど・・・。それよりも、娘さんを紹介してくださらない?」


「ほら、アキエ、挨拶して!」


「ヤマダアキエ、4歳です!」


「アキエちゃん可愛いわね。私はマイヤーお姉さんだよ。マイヤーって呼んでね。」


「マイヤーお姉さん、よろしくお願いします。お姉さんはお幾つですきゃ?」


 今、それを聞くかアキエ、チャレンジャーにも程があるぞ。しかも噛んでいるし・・・。


「マイヤーお姉さんは16歳よ。お食事終わったの?」


 彼女は平然と嘘を吐く。公称16歳ということだな、覚えておこう。


「うん、ごちそうさまでした。」


「じゃ、絵本読んだげる。お父さんも一緒にいきましょ!」


 セイヤを振り返ると行ってという仕草が見えた。


・・・・・・・


 アキエの部屋に行き、マイヤーさんがアキエに絵本を読んでくれたら、アキエは直ぐ寝てしまったようだ。


「ごめんなさい。実は私知っているの。でも、貴方をエトランジュに取られたくなくて、ここまで連れてきてしまったの。」


「あの、今夜あったであろうことですか?」


 エトランジュ様との子作りのことだろうか?


「うん。だから、ここでアキエちゃんと3人で寝ましょう。それで我慢致しますわ。」


・・・・・・・


 翌朝、なぜかすっぽりとアキエではなく、マイヤーさんが俺の胸に引っ付いていたときは驚いたがそのまま、寝ぼけたふりして押しのけようとするがパジャマの裾を持っていて離れないようだ。


 それで仕方なく、無理矢理引き剥がそうと力を入れたところ、逆に引き寄せられる。力強ええ、って関心している場合じゃないな。やばい、久しく女性と触れ合う機会はなかったから。そ、そこ、当たってますって。


「マイヤー!マイヤー!くるしい!」


 マジで締め上げられ、やばい雰囲気と息苦しいのと両方で天国と地獄が一緒にやってきている。


「うーん!あ、おはようございます。あらあら、ごめなさいわたしったら。」


 ようやく、息ができるようになった。でも、勝手に反応している部分が・・・。マイヤーは凝視しているようだ。さて、どんな言い訳をすればいいのか。


「あらあら、こんなにしちゃって、よっぽど溜まってたのね。」


「マイヤーさんが魅力的過ぎるからですよ。勘弁してください、もう。」


 あれっ、その言葉と裏腹に真っ赤になっている。俺がトイレに行って戻ってくるといつものマイヤーさんに戻っていた。


「今日はどちらにいらっしゃいますか?」


「そうですね。少し魔法の訓練をしたいので、教えて頂けますか?」


「はい、もちろん。」


「その後は、店の方へ行きたいのですが・・・。」


「解りました、お供します。」


「え、付いてくるのですか?」


「はい。実は私、筆頭魔術師というのは名ばかりで後宮の皆様の護衛が主な任務なんです。それまでは新アルメリア教会で聖女をしていましたが、王様に請われて5日前に雇われました。ですから貴方に付いていきますわ。それに・・・。」


「そうですか。では、お願いできますか。そうすると、私がこちらの世界に来ない日は何をされているのですか?」


「そうですね。特にすることはないですね。他の後宮の皆さんには侍女という護衛も居ますし、よっぽど強力な敵が現れたときに呼び出されるだけです。」


 これなら商売のパートナーにうってつけかも。まあ商売人に向いているかどうかはわからないけど、簡単な販売だけなら任せても大丈夫そうかな。


「なにか、お仕事頂けます?」


「はい。できれば商売のパートナーもしていただけないかと思いまして・・・。」


「パートナー・・・」


 あれっ、また赤くなってる。


「そうです。パートナーですね。今日仕事のやり方を教えますので、2日に1回くらい店を開けていただけませんか?」


「わかりました。がんばります。」


 その後、魔法の訓練所で優しく指導を受けた。店を開けマイヤー相手にリハーサルをして教えた。さすがに詳しい商品知識は身につかなかったようだが、単なる売り子ならば十分だった。


「パートナーになれますか?」


「うん、大丈夫、大丈夫。」


 市場で2人で昼食を食べた。薬草屋を覗き、マイヤーから詳細な説明を受け、適当に購入した。その後、店を開店した。来たお客に笑顔で接する姿をみて安心した。なぜか来たお客さんの顔は引きつっていたが・・・。


「また、お越しください。」


「はい、来ます来ますので・・・。」


 なにか不穏な発言も聞こえた気がしたが、まあ気にしても仕方がないだろう。時折、お客様が切れた際に商品の出し方やレジの打ち方を教えた。


「あれれ、暗黒の聖女じゃないですか。」


 アルム大尉だ。暗黒?マイヤーのことだろうか?


 マイヤーも表面上、笑顔ながら背景で”ド・ド・ド”って感じで感情が高ぶっているのが解る。


「「いらっしゃいませ。」」


「へぇー、まあいいか?トム殿、約束通り来ましたよ。」


「はい、ありがとうございます。自転車が5台と街灯が20です。お確かめください。」


「あのそれでですね。俺の自転車が急にパンって鳴って、漕げなくなったので、みていただけませんか?」


 パンクだな。俺は、バケツとパンク修理セットを用意すると覚えたばかりの魔法でバケツに水を入れる。パンクの修理の仕方を細々と説明しながら、パンクの修理が終わる。空気入れで空気を入れて全て完了だ。


「今回はサービスしときますけど、次回からは1000G頂きます。このパンク修理セットはこの店に売っていますので、自分でやれば100Gでできます。」


「では、このセットを10セット貰えますか。」


「はい、ありがとうございました。」


 アルムたちが帰っていくと、マイヤーの頭を撫でながら言った。マイヤーの頭が丁度、撫でやすい高さにあるから、つい撫でてしまった。


「よく我慢したね。どんな相手だろうが、お客様だから、我慢して対応してほしい。できるよね。パートナーだから。」


「はい。任せてください。」


・・・・・・・


「マイヤーは、お土産何がいい?お菓子?」


「私は、貴方さえ・・・。」


「そうか、じゃ俺が選んでくるね。」

さて、マイヤーへのお土産は何にしようか?



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