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第1章-第4話 ちーと

お読み頂きましてありがとうございます。

「あ、あなたは・・・。」


 これから貰える能力について、説明を受けるんだとドキドキして待っていると女神が俺の顔を見て怪訝そうな顔をする。


「なにか。俺の顔に付いています?」


「ごめんなさい。貴方にはなにも差し上げることができません。」


 イキナリの駄目出しである。


 解っていたこととはいえ、少しヘコむな。


 ここで言う神が与える能力は、この世界の人間限定なのであろう。それでなくては、頻繁に異世界とこの世界を行き来している俺に能力を貰える機会が無かったとは、思えないからだ。


「えっ、どういうことですか?」


 言葉使いはマシだが渚佑子さんが女神に噛み付くような雰囲気で確認した。


「言っても構わないですか?」


 女神が俺の方に向いて聞いてくる。異世界人だということだろう。今の今、告白しようと思っていたところだったから、覚悟はできているので頷く。


 だが、女神から話された内容は、その覚悟を上回る内容だった。


「この方は、この世界の人間ではありません。下位世界の第101平行宇宙の生まれでありながら、上位世界の第3平行宇宙からの移住者の子孫なのです。」


「すまない。君が召喚魔法で酷い目にあってきた人間だということは、解かっていたのだが言い出せなかった。」


 上位世界だの下位世界だの訳のわからない言葉はひとまず置いておいて、渚佑子さんに謝る。俺の中ではソレが最優先だからだ。


「それは解かっていました。というか、あんなに魔法の袋やミスリルやオリハルコンを使っていてバレないと思ったんですか?」


 まあ確かにソレらについて少しでも知識がある人間ならば、俺が異世界の人間だと見破ることは容易いに違いない。


 だがこの世界の人間にとっては、多少不思議なくらいでミスリル鋼やオリハルコン鋼などは最先端の科学技術の一部と見なされるだろう。


「君には、解かるとは思っていたよ。だから、貴金属買取ショップの業務に専念させていたのだがね。」


「社長甘いですよ。社員には横の繋がりがあるんです。うちの会社は、物凄く風通しの良い会社なんです。それに先輩の惚気話なんか本当に隠しているんですか?と言いたくなるほどでしたよ。」


 幸子か。


 諸悪の根源は・・・。


 まあ、それだけ渚佑子さんを信用していたということなんだろうが・・・。


 もう少し情報管理教育をやり直さないといけないかな。でも、それをすると藪ヘビになりそうな気がするし、どうしたものかな。



・・・・・・・



 大幅に脱線したので話を戻すと、この世界の人間ではない俺に対して、この世界の神が能力を与える手段が無いということだった。


「それで、渚佑子は何か欲しいものがありますか?」


「ある。この召喚魔法に抵抗できるモノがあったら欲しい。」


「あります。ユニーク魔法の解呪魔法です。最大MPの約9割を消費してしまいますから連発は、できませんが・・・。」


「それでいい。召喚魔法はコリゴリだ。ましてや今回のように他人を巻き込んでしまうなんて、最悪だ。」


 それでいいんだろうか?


 俺は俺で異世界に召喚後、『界渡り』魔法で元の世界に戻ろうと思っていたのだ。


 今後、彼女が召喚されたとしても、連れ戻す手段を俺が持っている。


 まあそうなると彼女を俺の近くに配置しなくてはいけないだろうし、そうなれば、俺に多くの妻が居ることも知ってしまうだろう。


 幸子とのことは知っているようだが、流石にこんな若い娘に聞かせるような事ではない。ここはそっとしておくのが懸命だろう。


「それで、今回行く世界の事なのですが、時間のスピードが360倍で流れています。向こうで1年過ごしても、こちらの世界では1日経っている程度です。少し長い休暇を貰ったと思って、楽しんできたらいかがかでしょうか。」


 渚佑子さんに説明しているようだが、俺の事情も知っているのだろう。


「俺からも質問していいか?」


「答えれる範囲内ならOKですよ。」


「俺の世界の話で恐縮なんだが、俺の世界の人間の寿命に最大MPと最大HPが関連するのだろうか?」


 実は、禁書でいろいろと調べていくと『勇者』は長寿な場合が多いようなのだ。


 『勇者』は『状態』でレベルアップの際に取得したい職業や上昇させる能力を選択できるらしい。だから、複数の職業持ちなど当たり前だったりする。


 『勇者』でなくても、過去には複数の職業持ちが居たらしく。そういった者が寿命を全うする場合、普通では考えられないくらい長寿だったという記録が残っていたのだ。


「うーん、ギリギリセーフかな。その通りです。人間はあるときを境に一定期間ごとに最大MPと最大HPが減っていく。そのどちらかがゼロになれば、天寿を全うした状態です。」


「『勇者』でなくてもレベルアップの際に強く望んでいる職業になれるのか?」


 この話は眉唾と思われているようだが、『勇者』に対する逸話で複数の職業持ちが生まれる例が多いとされているのである。


 ある農夫が経験したところによると、『勇者』様と村総出で魔獣討伐を行った際に偶々雑魚を討伐してレベルアップすると、『勇者』の使う能力に強く憧れを抱いていたものほど、農夫がレベルアップするのではなく、剣士や魔術師といった職業を得られるらしい。


 実際には、その場で『勇者』様に指摘されるほど近しい人間以外は、後々教会で判明しないかぎり、一生知らずに生きていくらしいのだが・・・。


本来ならチート能力が神から付与されるシーンですが、主人公は貰えません。

まあ、もうすでにチートレベルなんですが・・・。


替わりに知識を得ようと頑張って質問していますが、全て答えて貰えるとは限らないようです。

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【新作】「ガチャを途中で放棄したら異世界転生できませんでした」
https://ncode.syosetu.com/n4553hc/
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